埼玉県警本部=さいたま市浦和区 スポーツ強豪校として知られる私立埼玉栄高(さいたま市)で昨年11月、寮を抜け出した男子生徒4人が校庭でグラウンド整備用の軽乗用車を走らせ、横転して2人が死傷する事故があり、埼玉県警は4日、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で、運転していた同校元生徒(17)を書類送検した。元生徒は「スリルを味わうために運転した」と容疑を認めている。
        
    
         送検容疑は昨年11月16日午後11時20分ごろ、校庭で車を運転し、前方左右を注視せずのり面に衝突、横転させ、助手席にいた生徒=当時(17)=を死亡させたほか、後部座席にいた1人にけがをさせた疑い。
        
    
         県警によると、車は事故時、時速約30キロで走行。死亡した生徒は助手席の窓から身を乗り出していたという。数年間で延べ数十人の生徒が校庭で車を運転したり同乗したりしており、寮で見つかったタブレット端末からは過去にも車で校庭を走行する動画が確認された。
        
    
         同校によると、この車両はサッカー部がグラウンド整備に使用し、普段は監督やコーチが運転していた。鍵は車内の小物入れに保管され、ドアは施錠されていなかった。
        
    
         県警は学校側の管理体制についても調べを進めている。
        
        
        
    
         同校を運営する学校法人「佐藤栄学園」によると、死亡した生徒以外の3人は現在、同校には在籍していないという。同学園は今年5月、外部の専門家らによる第三者委員会を設置した。