画像提供:マイナビニューストライアルホールディングスのグループ会社であるトライアルGOは11月7日、都内初となる「TRIAL GO 西荻窪駅北店」(東京都杉並区)をオープンした。本稿では、店舗オープンの様子と店舗の概要を説明する。
次世代ローコスト小売モデル「TRIAL GO」
「TRIAL GO」は、スーパーセンターのサテライト店舗として、流通・テクノロジーのそれぞれの強みを掛け合わせて、高クオリティ・低コストの運営を実現する「次世代ローコスト小売モデル店舗」。
ストアコンセプトは「毎日行きたい、何度も行ける」となっており、忙しい日々が豊かになる都会暮らしの必需店を目指しているという。
現在の店舗数は31店舗で、その内の28店舗が福岡県。山口県では1店舗の展開があるが、九州以外では、11月7日に東京へ2店舗(西荻窪駅北店・富士見台駅北店)出店したのが初めてとなる。
トライアルホールディングス 広報部 部長の野田大輔氏は、東京への出店について「福岡での実証の成果が活きた」と語る。
「福岡で実証を重ねてきた『食』と『都市型ローコストオペレーション』を両立させる新しい小売モデルを、西友との経営統合を経て、都内にある西友の大型店舗をサテライト店舗として活用することで東京で展開・検証することができるようになりました。そしてこの度、近辺に大型店舗があり、居住地として多くの方が生活する西荻窪のエリアでオープンいたします」(野田氏)
「TRIAL GO」は、既存店舗からの高頻度配送を前提とした小型店舗のため、バックヤードが不要で売場面積を最大化できることや、豊富な品揃えと新鮮な生鮮・惣菜を提供するを可能にしているのだという。
また店舗内では、職人監修による「出来立てのおいしい食」の提供を重視し、近隣店舗で調理した出来立ての惣菜や、包材メーカー提供の「レンチンしても熱くならない容器」の使用など、調理から提供までの時間を短縮した商品を展開しているという。
リテールテックの導入で省人・効率運営を推進
また「TRIAL GO」の特徴として、リテールテックによる自動化も挙げられており、店舗内には「Retail EyE(売場監視システム/棚モニタリングシステム)」「需要予測/自動発注」「サイネージ」「顔認証セルフレジ(年齢確認)」といったテクノロジーが導入されている。
これらのテクノロジーの活用により、決済エリアの完全無人化を実現しているほか、自動発注によりスタッフのスキルに左右されない店舗運営など、省人・効率運営を推進しているそうだ。
「Retail EYE」による遠隔店舗管理をはじめ、店内の複数サイネージでは顧客の購買時間に合わせた商品訴求を行い、販売促進に直結するリテールメディアとしても活用しているという。これらの取り組みにより、30人時で運営できるローコストオペレーションを実現し、都市型小売の新しい形を提案していきたい考えだという。
特に、レジに導入されている顔認証決済は、2024年にリテールDX(デジタルトランスフォーメーション)を中核として、安全・安心・便利な街づくりを目指し、顔認証の分野での協業を発表しているNECの技術が採用されている。
これまでNECは、協業の取り組みとして、「トライアルGO脇田店」「グロッサリア脇田店」の決済システム、「MUSUBU AI」「TRIAL IoT Lab」「T MAISON WAKITA」の入場管理システムにおいて、顔認証技術の実証を行ってきた。
今回は、それらの知見を活かして、事前に顔認証を登録することで決済が可能となるようなシステムをセルフレジに搭載することで、手ぶらでも気軽に買い物に行けるような仕組みを作り上げた。
お酒類などの年齢確認が必要な商品においても、事前の顔認証登録の際に運転免許証やマイナンバーカードといった公的証明書での認証を必須化しているため、従業員からの確認なしでの購入が可能となる。
今後「TRIAL GO」は、12月上旬に「笹塚店」「中野中央店」にもオープン予定。この東京の4店舗の評判を鑑みながら、より広い地域への展開を進めていきたい方針だ。(森歩美)