ユナイテッド航空、成田パラオ間の直行便を就航 - 所要時間が半日から5時間に

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2025年11月11日 18:10  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
ユナイテッド航空は10月29日、東京/成田からパラオ/コロールへの直行便を就航。初便出発に合わせて成田空港で開催されたプレスカンファレンスと記念セレモニーに、パラオ共和国のスランゲル・ウィップス・ジュニア大統領とユナイテッド航空 国際規制・政策担当副社長スティーブ・モリッシー氏が参加した。


乗り継ぎなしの直行便で南国パラオへ



ユナイテッド航空は成田国際空港からセブ、高雄、ウランバートルといったアジアの主要都市への路線を運航する唯一の米系航空会社。グアムとマニラからパラオへの直行便も運航している同社は、成田=パラオ(コロール)線の就航で日本からパラオへの直行便を運航する唯一の航空会社となった。



「本路線開設でユナイテッド航空の米国本土の5つのハブ空港(ニューヨーク/ニューアーク、ヒューストン、デンバー、ロサンゼルス、サンフランシスコ)とパラオが、成田経由でよりスムーズにアクセス可能になります」と、ユナイテッド航空の国際規制・政策担当副社長であるスティーブ・モリッシー氏。


東京とパラオを結ぶ直行便は午後5時55分に東京/成田を出発し、午後10時50分(現地時間) にパラオに到着。パラオから成田への復路は午前11時25分発、午後4時着で、これまで東京からグラム経由で半日以上が掛かっていた東京-パラオ間は、約5時間のフライトで結ばれることになる。運航機材はボーイング 737-800型で、座席数 166席のうち16席がビジネスクラスだ。


350近くの島を擁するパラオ共和国のスランゲル大統領は、今回の定期直行便の就航への期待と、関係者への感謝を述べた。



「歴史的な新路線の就航に立ち会うことができ、たいへん光栄に思います。日本とパラオの家族、ビジネス関係者、旅行者がつながり、新たな貿易と観光、文化交流の扉が開かれ、これまで培われてきた絆は、いっそう深まることになるでしょう。パラオ共和国の国民と政府を代表し、ユナイテッド航空とのパートナーシップをはじめ、パラオの持続的な成長に寄与していただいている、さまざまな友情に感謝申し上げます」

委任統治時代に日本文化を共有した過去も



スランゲル大統領は、シュノーケリングやスキューバダイビングなどのマリンアドベンチャーを体験できるパラオと、日本との深い歴史的なつながりについても紹介した。



「パラオ国民の20%が日本にルーツを持っています。パラオの辞書にある言葉の3分の1が日本由来の言葉とも言われており、今一番人気のある言葉は「ヤキュー(野球)」です。日本人によって野球がパラオに持ち込まれ、今年で100周年となりますが、『ニッポンスタジアム』と呼ばれている野球場もあります。今年のパシフィックミニゲームズの野球でパラオはグアムに勝ち、初の金メダルを獲りました」


「また、多くの日本人が移り住んだ歴史的なつながりもあり、私たちは日本食も大好きです。私たちは醤油を『つける』のではなく『飲む』と言っていますが、本当に醤油を飲むように使っています(笑) 同時に我々独自の歴史も、ぜひ多くの人に体験を通じて学んでいただきたいです」



一方、先の大戦では日本とアメリカ、パラオは悲惨な歴史も共有していると述べ、歴史を学びながら平和な未来を構築しなければならないとも語ったスランゲル大統領。


現在、世界有数のダイビングスポットとして知られることを踏まえ、同国の海洋環境の保護と水産資源の持続可能な管理の取り組みについても説明した。



「私たちの海には3万種の生物と400種類のサンゴ礁があり、その生物多様性は世界でも他に類を見ないほどです。『パラオ国家海洋保護区法』によって、その排他的経済水域(EEZ)の大部分は海洋保護区(国家サンクチュアリ)として管理されています。海洋生態系の保全と持続可能な観光立国を目指す我々から、多くのことを学んでいただく機会もご提供できると思います」

パラオ行きの初便は満席



カンファレンス後、本路線の初便の搭乗ゲートとなる成田国際空港第1ターミナル34番ゲートの前では「成田=パラオ(コロール)線就航記念セレモニー」が実施された。



スランゲル大統領は関係者へ改めて感謝を述べ、「この週2便の新たな直行便の就航は、我々の地域における交流・貿易・観光の発展に向けた大きな一歩になります。パラオ行きの初便は満席とのことです。この直行便は週2便からスタートしますが、次は週4便を目指したいと思います」と、笑顔でコメントした。


国土交通省の成田国際空港長・中村文俊氏は「パラオは小さな島国でありながら、世界遺産の『ロックアイランド群と南ラグーン』を代表とする南国リゾートとしての魅力に溢れ、日本との関わりも非常に深いものがあります。日本人にとってゆかりの名所や文化にも触れることができ、観光地としてのポテンシャルが非常に高い国です」と、挨拶で述べた。



「これまで日本からの定期直行便がなかったことから、どうしても旅の候補地になりづらい面もあったと思いますが、今回の就航によってアメリカからの乗り継ぎ客のみならず、日本人観光客の利用者も大いに期待できます。また、親日国で日系の方も多いパラオ国民の皆様にも日本に来ていただくことで、今後の両国のさらなる友好の発展にも寄与するのではないかと、たいへん期待しています」(中村氏)


その後はユナイテッド航空 成田-バラオ線の新規就航を祝う「鏡開き」が執り行われ、セレモニーの最後は初便の搭乗客も含めた関係者全員での集合写真の撮影も行われた。パラオ国際空港では、ウォーターサルート(放水)と文化的なパフォーマンスで初便の到着を歓迎した。


伊藤綾 いとうりょう 1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催 @tsuitachiii この著者の記事一覧はこちら(伊藤綾)

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