通信時代になって鈍器本化! 平成カラオケの目次本【山下メロの平成レトロ遺産:093】

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2025年11月12日 17:10  週プレNEWS

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リモコンもレーザーカラオケと変わらず大型です!


レトロ遺産を掘り返す山下メロ氏

記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。

【写真】今週のレトロ遺産!

平成レトロ時代に発展したカラオケ文化は、通信カラオケの登場で一気に身近なものになりました。他人が歌っている間も、みんな必死に次の曲を選んでいる......というのも、定番エピソードですね。その際、曲を探すのに開いていたのが分厚い目次本でした。


楽曲を選択するには、目次本に記載された番号をリモコンのボタンで入力。リモコンの液晶画面で番号を確認して、本体へ向け送信ボタンを押す

目次本の中身は、リクエストできる楽曲名と、そのリクエスト番号が羅列された表がひたすら続きます。そこに表示された番号をリモコンに入力して、送信することで楽曲がダウンロードされ演奏される仕組みでした。

右端に「あいうえお」のインデックスタブがあり、そこで五十音順に「楽曲タイトル」、または「アーティスト名」から探せるようになっています。ほかにも校歌やスポーツの歌、アニメ曲などの項目があり、外国語曲は別の冊子になっていたりしました。

通信カラオケ初期の頃はまだ演歌と歌謡曲中心でしたが、どんどんJ−POPの楽曲が増え、電話帳のように分厚くなっていったのです。新曲が配信されるたびに分厚い本を出版できないため、新曲だけが掲載された薄い速報版の冊子もありました。


通信カラオケ各社の目次本


かつて存在したビクター「孫悟空」の目次本

今では、ペンや指で操作できるタブレット端末の液晶画面で楽曲を探すことができます。コンパクトで軽く、見やすい文字から検索できるので素早く楽曲を探せるようになりました。

しかし、基本的には自分が歌おうと思っているものしか検索できません。パラパラと目次本をめくっていく中で、たまたま曲名が目に入り「あ、これそういえば歌いたいかも」と思いつく偶発性は減少してしまいました。

タブレットでも多少は類似曲などを推薦してくれる工夫があるのですが、アナログな目次本にしかない良さがあります。現在もなお目次本を置いているお店もあり、そういったお店へ行かれた際は、ぜひとも目次本をパラパラとめくっていただき、歌いたい曲と偶然に出合う感覚に再会してみてください。


レーザーカラオケの目次本。どのディスクの何曲目かという情報から人が探して再生する時代から、曲数は限られるがオートチェンジャーをリモコン操作できる時代になった

撮影/榊 智朗

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