ダブルリタイアに終わった惨状に失望のフェラーリ会長。戴冠の耐久チームを引き合いに「全員が協力すれば勝利できる」と鼓舞

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2025年11月12日 18:10  AUTOSPORT web

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2025年F1第21戦サンパウロGPスプリント シャルル・ルクレール&ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
 フェラーリのジョン・エルカーン会長は、散々だったチームのF1第21戦サンパウロGPの週末について厳しい評価を下し、インテルラゴスでシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンがリタイアに終わった後、ドライバーたちについては「ドライビングに集中し、話すことを減らす」必要があると主張した。

 この公的な叱責は、フェラーリにとって今シーズン最も悲惨な結果のひとつを受けてのものだった。フェラーリはサンパウロGPのレースを無得点で終えた結果、コンストラクターズランキングで2位から4位に転落したのだ。

 サンパウロGPのレースに臨むにあたり、フェラーリは選手権2位の座を固めたいと願っていたが、週末は突如崩れ去った。ルクレールは有望な3番グリッドからスタートしたが、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)とオスカー・ピアストリ(マクラーレン)とのクラッシュに巻き込まれて脱落し、ハミルトンは1周目にカルロス・サインツ(ウイリアムズ)とフランコ・コラピント(アルピーヌ)と接触してダメージを負い、37周目にリタイアとなった。

 これはフェラーリにとって数カ月ぶりの無意味な週末であり、エルカーンの忍耐力が試される週末となったことは明らかだ。彼が示唆したように、スクーデリアの挫折は、サンパウロGPと同じ週末の土曜日にバーレーンで行われたWEC世界耐久選手権でフェラーリが勝利を収めたこととは全く対照的だった。同選手権では、フェラーリのファクトリーチームであるAFコルセが、ドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルの両方を獲得した。


■厳しい評価か、それとも警鐘か?

 エルカーンは、この団結した成功とF1チームの現在の苦戦とを明確に比較した。

「バーレーンで耐久レースの世界タイトルを獲得した。特別な気持ちだ」とエルカーンは、『Sky Sports Italy』に語った。

「コンストラクターズとドライバーズ両方のタイトルを獲得したことは、フェラーリが団結し、全員が協力すれば、本当に偉大なことを達成できると示している」

 しかし、エルカーンはフェラーリのF1での苦境を振り返る際に遠慮はしなかった。

「ブラジルは大いに失望した。F1チャンピオンシップを見ると、我々にはメカニックがいるが、彼らは基本的にそのパフォーマンスとピットストップで行われるすべてのことにおいて、チャンピオンシップに勝つことができると言える。我々のエンジニアは間違いなくマシンを改良した。しかし、残りの部分に関しては、まだ標準に達していない」

「そして、ドライビングに集中して会話を減らす必要があるドライバーも確かにいる。まだ重要なレースが残っているし、(コンストラクターズ)ランキング2位を獲得することも不可能ではない。これは最も重要なメッセージだ。なぜならバーレーン自体が、フェラーリの全員が協力すれば勝利できるということを証明しているからだ」

 エルカーンの言葉は、マラネロでのプレッシャーが強まっているという明確なシグナルを送ったが、ドライバーに対する彼の批判は厳しいと受け止められるかもしれない。ルクレールもハミルトンもここ数週間、メディアに対して挑発的あるいは過剰なコメントはしていない。むしろ、両者ともチームの進歩を称賛し、フェラーリの方向性について楽観的な発言をしている。

 それでもエルカーンのメッセージは、シーズンが終わりに向かうなかで、フェラーリに容赦のない期待が寄せられていることを強調している。3レースが残る現在、フェラーリはメルセデスとレッドブルの後を追っており、チャンピオンシップ2位を取り戻すには完璧なフィニッシュが求められる。

 サンパウロでの痛ましい週末の後、エルカーンの率直な言葉は叱責と呼びかけの両方の役割を果たした。フェラーリのスタードライバーたちにとって、今や使命は明確だ。話すことを減らし、もっと結果を出し、エルカーンとティフォシが信じる場所に跳ね馬を戻すことだ。

[オートスポーツweb 2025年11月12日]

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