
この世の中にはさまざまな “恐怖” が存在します。地震や気候変動、ここ最近ではクマの脅威を伝えるニュースも多いですし、ひょっとしたら「おばけ」が怖い人もいるかもしれません。
でもね、結局のところ、人間がいちばん怖いのかも。
今回ご紹介するのは、人間の怖さをまざまざと感じさせてくれる実録サイコロジカル・スリラー映画。楽園を求めてとある無人島へたどり着いた人々は、果たして本当の意味でのユートピアを築けるのか、否か……。
毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。
今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Prime Videoで独占配信中『エデン 〜楽園の果て〜』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!
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【あらすじ】
第1次世界大戦の余波により、世界経済が崩壊した1929年。ドイツで暮らしていた哲学者・リッターとそのパートナーは、ファシズムや俗世間から逃れるために、ガラパゴス諸島の無人島に移住します。
彼らは静寂と孤独を求めていました。無人島にはそのすべてがあったのです。けれど、彼らの平穏は長くは続かなかった。
新たな生活を求めてやってきたハインツ一家、そしてこの島にホテルをつくるためにやってきた男女。住民たちのあいだには、いつしか不穏な空気が漂いはじめて……?
【ココが見どころ!】
<その1:無人島でもご近所トラブルって起こるの!?>
ご近所トラブルって厄介ですよね。本作に登場するのは無人島、しかも移住してきた住民は10人にも満たないのに、それでもご近所トラブルが起きてしまうんですよ。
ほかの住人に住み着いてほしくない人。みんなで協力し合い、仲よく暮らしたい人。自分がいちばん優位に立ちたくて、そのために住人たちを陥れる人。
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それぞれの思惑が複雑に絡み合った結果……静かな島はご近所トラブルの温床と化してしまうのです。ああ、人間はおろか。
<その2:誰が諸悪の根源なのか>
ご近所トラブルが頻発した結果、ほぼすべての住人が疑心暗鬼にとらわれるようになります。
いったい誰が敵で、誰が味方なのか───。
同じ土地で、これからも共に暮らしていかなければならないのですから、あちらの住人と手を組むべきか、それともこちらの住人に微笑んでおくか、あるいは、敵とみなして一線を引くか。そのあたりをしっかりと見極めなければなりません。
いっぽう、自分にとっていちばん近しい人物が「敵」である可能性も否めません。人はときに、味方だと思っていた人物に寝首をかかれることもあるのです。
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<その3:なんとまさかの実話です>
なんと本作は実話ベースの物語。実際に起きた事件をもとに、生き残った人々の証言からインスパイアを得てつくられています。
しかも、物語はまったく異なる2つの視点から語られているのです。人によって見えてくる真実がまったく違う、ということを考えさせられる作品でもあります。
【監督もキャストも豪華すぎないか】
2024年のトロント国際映画祭でプレミア上映され、そのあと世界各国で劇場公開されている本作。
監督を務めているのは、アカデミー賞を受賞した『ビューティフル・マインド』や『アポロ13』を手がけている名匠ロン・ハワードさん。そしてキャストには、ジュード・ロウさん、アナ・デ・アルマスさん、ヴァネッサ・カービーさん、ダニエル・ブリュールさん、シドニー・スウィーニーさんといった面々が名を連ねております。
ご覧いただければわかるとおり、とんでもなく豪華でしょう? 日本では劇場未公開なのでこの機会にぜひ。
■今回ご紹介した作品
『エデン 〜楽園の果て〜』
Prime Videoで独占配信中
※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。
執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:©Amazon MGM Studios
