エコロヴァルツ(撮影:山中博喜) 秋の福島開催を締めくくる伝統のハンデ重賞、福島記念。小回り芝2000mが舞台となり、トリッキーなコース形態から波乱も起こりやすい一戦だ。今年も実績馬から上がり馬まで多彩なメンバーが揃い、激戦が予想される。過去のデータを分析し、傾向を探っていく。
1. 3・4歳の若駒が優勢、5歳以上は苦戦
過去10年の馬齢別成績を見ると、4歳馬が[3-4-1-15]で複勝率34.8%と傑出した数字を記録している。単勝回収率も121%と妙味十分だ。次いで3歳馬も[2-1-1-10]で複勝率28.6%と優秀。対照的に5歳馬は[2-1-3-39]で複勝率13.3%、6歳馬も[2-2-2-33]で複勝率15.4%と大きく数値を落とす。7歳以上も苦戦傾向にあり、馬券の中心は若い3・4歳馬から狙うのがセオリーと言えるだろう。
2. 前走GII組が好成績、GIII組は不振
前走のクラス別成績では、GII組が[4-6-4-26]で複勝率35.0%と非常に高い好走率を誇る。GI組も[0-0-1-2]と出走数は少ないものの複勝率33.3%と健闘しており、格上のレースを使ってきた馬の信頼度は高い。一方で、前走GIII組は[2-0-1-35]と複勝率はわずか7.9%と不振。OP組[3-3-4-58]の複勝率14.7%をも下回っており、前走GIII組は割り引いて考える必要がある。
3. 極端な後方待機組は割引、前走4角先頭に妙味あり
小回りコースらしく、前走の4コーナー通過順位にも傾向が出ている。前走で4コーナーを10番手以下で通過した馬は[0-1-2-33]と、複勝率はわずか8.3%。直線一気は決まりにくい。逆に、前走4角1番手の馬は[3-1-0-16]で勝率15.0%、単勝回収率239%と好成績を収めている。
エコロヴァルツは、傑出する成績を残す4歳馬。この強力なデータにまず合致する。加えて、前走はGIの天皇賞(秋)を使っており、格上のGII組・GI組が優勢というデータも強力に後押しする。前走4角3番手と、割引材料となる後方待機組でもない。データ上、中心視が妥当だ。