【阪神】大山悠輔が外野テラス席設置を要望「それが後々…」グラウンド内外で来季もチームけん引

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2025年11月19日 05:01  日刊スポーツ

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契約更改を終え会見する阪神大山(撮影・石井愛子)

阪神大山悠輔内野手(30)が18日、甲子園に外野テラス席を設置してほしいと球団に要望したことを明かした。兵庫・西宮市の球団事務所で契約交渉を行い、昨オフ結んだ5年契約2年目の来季は現状維持の3億4000万円でサイン。森下、佐藤輝の後を担う5番打者として臨んだ今季は、喜びも悔しさも感じた1年だったが、後輩たちのことも考えて球団に切望した。グラウンド内外を問わず、プロ10年目も“兄貴分”としてチームをけん引する。


   ◇   ◇   ◇


朗らかな表情を見せながらも、大山はキッパリと思いを明かした。昨オフのFA宣言残留から1年。5年契約の1年目を終えた契約更改の席で伝えたのは、かねて抱いてきた外野テラス設置の要望だった。


「球場の考えもあると思うし、難しいところだと思う。ピッチャーと野手のメリットデメリットもある。けれど野手としての一意見を伝えてきましたし、発信していくことで何か変わっていければいいのかなと」


広く、特有の浜風もあって本塁打が生まれにくい甲子園。今季の38本塁打は12球団本拠地別で最少だった。だが91年まではラッキーゾーンも設置されており、昨オフには佐藤輝も契約更改の席で同様の意見を要望。実は大山も以前から伝え続けてきたお願いだった。


「個人としての要望でもあるし、僕たち年上の選手がどんどん言っていくのも仕事のひとつ。それが後々後輩たちにつながってくる可能性もあると思うので」


プロ9年目を終え、後輩も増えた。投手有利とされる甲子園での難しさも知った上で、後輩野手に成績を残してもらいたい願いもあるだろう。リーダーの大山が球団に要望した意義は、後輩たちにとっても大きな意味がある。


3番森下、4番佐藤輝の後を受ける5番を担った25年。リーグ優勝に大きく貢献したが日本シリーズでは打率5分6厘と苦しみ唇をかんだ。後輩のめざましい躍動には喜びを感じつつ、ふがいなさも感じていた。


「日本一を目指してやった中で、最後は悔しさもあった。個人的にもチームの力になれなかった悔しさ、自分の力のなさ、ふがいなさを感じたので。(後輩の活躍は)うれしい半面、『自分何やってんだ』という悔しさもある。どちらの感情もあるシーズンだった」


今季は2割6分4厘、13本塁打、75打点をマークし、得点圏打率3割1分6厘はチームトップ。守っても一塁でゴールデングラブ賞を獲得した。11日には国内FA権を取得していた同学年の近本も残留を決断。ともにチームをけん引していく兄貴分として、後輩たちを思う気持ちは強い。


「下の選手たちがやりやすい環境を作っていく仕事は僕たち(の責任だ)と思う。年が近い後輩というより、もっともっと下の後輩たちの力になりたい」


球団初のリーグ連覇がかかる来季。グラウンド内外を問わず、虎の屋台骨を支えていく。【波部俊之介】


○…大山の外野テラス席設置希望に球団は慎重な姿勢を見せた。竹内球団副本部長は「甲子園球場の施設で、タイガースのものではないので。まず話を承っただけなので。動くも何も、何もまだ決まってない」と話すにとどめた。甲子園は銀傘の拡張工事を実施中で、高校野球を主催する高野連との調整も必要になる。「球団としても投手が恩恵を受けているのは事実。そのへんのバランスも考えないと」とチーム編成も絡むため、慎重に検討していく。


◆今年の大山 今シーズンは141試合に出場し、打率2割6分4厘、13本塁打、75打点の成績を残した。OPSは7割5分8厘。得点圏打率は3割1分6厘。出塁率は3割6分3厘。代打出場が2試合あり、4番出場が4試合、135試合が5番一塁でのスタメン出場だった。ソフトバンクとの日本シリーズは18打数1安打。打率5分6厘と抑え込まれ、1打点、4三振、3四死球。OPSは2割4分6厘、出塁率は1割9分の成績だった。


◆テラス席設置での本塁打メモ 楽天モバイルが13年、みずほペイペイドームが15年、ZOZOマリンが19年に設置。統一球の影響もあったが、楽天モバイルの本塁打は12年の68試合で38本から13年は67試合で92本に大幅増。みずほペイペイドームは14年の67試合で70本から15年は67試合で144本に倍増、ZOZOマリンも18年の70試合で91本から19年は70試合で146本に増えた。ちなみに、甲子園球場には91年までラッキーゾーンがあったが、ラッキーゾーンの撤去で同球場の本塁打は91年の60試合で105本から92年は61試合で71本に減っている。来季はバンテリンドームにホームランウイングが設置される。


◆ラッキーゾーン 甲子園の外野フィールド内に設置した金網と外野フェンスの間に囲まれた本塁打ゾーン。1947年(昭22)に設置され、91年末に撤去。92年からは本塁〜両翼の距離が90メートルから96メートルに延びたことで本塁打が減った。

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