
ラーメン店の倒産が、4年ぶりに減少している。帝国データバンクの調査によると、1〜9月に発生したラーメン店経営業者の倒産は46件となった。年間で最多を更新した前年同期の60件から大幅に減少している。
●コスト高の一方、経営環境が改善している理由とは?
倒産した業者のうち、資本金100万円未満が約半数を占めた。特に小規模・個人店で淘汰が続き、資本力のある中堅規模以上の事業者との格差が鮮明となった。
帝国データバンクは各種統計情報を基に、使用する原材料のトータルコスト推移を示す「ラーメン原価指数(豚骨ベース、東京都区部)」を試算。2020年度平均の同指数を100とした場合、2025年度の指数は131だった。
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同社は「原材料費や人件費の高騰、価格転嫁の難しさなど、ラーメン店の経営環境の厳しさが認知されたことで、消費者の値上げに対する理解も広まってきた」と指摘する。企業側もラーメン一杯の価格引き上げから、トータルの客単価を上げる戦略へシフトし、コスト増を上回る売り上げを確保。2024年度には損益面で増益となった事業者が55.0%と、比較可能な2010年度以降で最高となった。
足元では、ご当地ラーメン店などを含めたラーメン店市場が2024年度には7900億円(見込値)に到達。10年前の2014年度比で1.6倍となるなど、市場拡大が続いている。
帝国データバンクは「スケールメリットを生かした原価管理と効率化されたオペレーションで安定した利益を確保する多店舗展開の資本系ラーメンチェーンや、市場拡大をチャンスととらえた他業態からの参入など競争環境はより激しさを増すとみられるものの、逆境を乗り越えてきたラーメン店の再興が期待できる潮目の変化が訪れている」とコメントした。
調査の集計期間は2000年1月1日〜2025年9月30日、集計対象は負債1000万円以上で法的整理による倒産。ラーメン店の定義は、飲食店業態のうちラーメンメニューの提供を行っている事業者とした。
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