騎手試験に合格した齋藤友香厩務員(C)netkeiba 地方競馬全国協会は20日、令和7年度の第2回調教師・騎手免許試験の新規合格者を発表した。騎手試験では岩手競馬の齋藤友香厩務員(19)が合格。現役では今回の試験で調教師試験に合格した宮下瞳騎手を含めて19人目、地方に限ると13人目の女性ジョッキーが誕生することとなった。12月1日付で免許が交付される。
齋藤友香厩務員は吉報を受けて、父であり師匠の齋藤雄一調教師(41)と抱き合って喜んだ。
「自分なりに全力を尽くして試験に挑みましたが、合格できるかどうか不安でしたし、本当に嬉しいです。でも、まだスタート地点。お世話になった方々に恩返しできるよう、精いっぱい頑張ります」
中学卒業後に競馬学校に入学したものの中退。それでも騎手の道を諦めることなかった。一昨年の1月から厩務員として働きながら、父の指導を受けて騎乗技術を磨き、今冬にはホッカイドウ競馬の田中淳司厩舎で約1カ月の武者修行。「父を始めとした厩舎スタッフ、女性ジョッキーの先輩である関本玲花さんや田中淳司先生など、本当に多くの人に支えられて、ここまで頑張ることができました」と感謝の思いを口にした。
大目標は地方通算で1078勝を挙げた父。勝負服の柄にも父のイメージカラーだった「桃」と「緑」を取り入れることを検討している。デビュー日は未定だが、アイドル性だけではなく実力でも、多くのファンを魅了してくれることを期待したい。
●齋藤友香(さいとう・ともか)06年3月20日生まれ、岩手県出身の19歳。父は齋藤雄一調教師。三姉妹の長女。憧れの騎手はR.キング。思い出の馬はフェアウェザー。「この馬にいろいろと教わったことで、他の多くの馬に乗れるようになったので」。好きな食べ物は焼き肉。
●父の齋藤雄一調教師「とにかくホッとしています。当然ながら騎乗技術はまだまだ物足りませんが、フォームは自分に似ているなと感じるところがあって、不思議な気持ちです。まずは無事に、その上で多くの関係者やファンに愛されるジョッキーになってほしいです」