「高関税」「威圧」と一線画す=TPP締約国、対米中で苦慮

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2025年11月22日 08:01  時事通信社

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時事通信社

記者会見に臨むオーストラリアのファレル貿易相=21日、メルボルン
 【メルボルン時事】「包括的および先進的な環太平洋連携協定(CPTPP)」の締約国は21日の閣僚級会合で、自由貿易推進の立場を再確認するとともに、枠組みの拡大を進めることで合意した。同時に、トランプ米政権の高関税措置や、中国の行動を巡って指摘される「経済的威圧」とは一線を画す姿勢を鮮明にし、米中両国への対応で苦慮していることをにじませた。

 議長を務めたオーストラリアのファレル貿易相は閉幕後の記者会見で、トランプ関税について「実りが薄く、間違いだ。除去することが繁栄につながる」と痛烈に批判した。会合で採択された共同声明も「締約国は市場の健全性を維持し、公正で透明性があり予測可能な貿易環境を促進する義務を履行する」との立場を明確にした。

 米国はオバマ政権時代、前身の環太平洋連携協定(TPP)を主導したが、第1次トランプ政権が脱退を決め、米国抜きでCPTPPが発足した経緯がある。締約国は高い水準の自由貿易の旗を掲げ続け、将来の米政権が方針転換して戻ってくることに備えている。

 一方、共同声明は「経済的威圧に共通の懸念と反対を表明する」と明記。名指しを避けつつ、資源輸出の制限などをちらつかせて他国を揺さぶる中国をけん制した。中国もCPTPPへの加入を申請しているが、岩田和親内閣府副大臣は記者団に「中国の貿易、ビジネスの在り方に対してはさまざまな意見がある」と指摘し、締約国が求める水準には程遠いとの認識を暗に示した。

 締約国は来年に加入交渉に入る候補の一つとしてフィリピンを選んだ。フィリピンは8月に加入を申請したばかりだが、南シナ海の安全保障で中国と対立しており、選定に当たって地政学的な判断も働いたとみられる。

 締約国は欧州連合(EU)、東南アジア諸国連合(ASEAN)とも連携を深める方針で、貿易を多角化して、米中両国に依存するリスクを低減させようとしている。 

このニュースに関するつぶやき

  • 、、、、、、、、、、台湾が入って無い、、、、、、、日本は台湾加入促進に協力しているのか?皆口だけなのか。。。。。
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