
NHK出身のフリーアナウンサー膳場貴子は23日、MCを務めるTBS系「サンデーモーニング」(日曜午前8時)に出演。高市早苗首相の台湾有事をめぐる「存立危機事態」答弁に始まった中国との緊張の高まりに収束のめどが立たない状況について、高市首相に「総理には、国際情勢、冷静に見て、発言を求めたいと思いますね」と注文を付けた。
番組は、11月7日の高市氏の発言と中国の強い反発による日中関係の悪化をめぐり、22日から開催予定だった日中財界の対話「東京−北京フォーラム」が延期になったことや、日中韓3カ国の文化相会合や日本側訪中団と中国商務相との会談も延期となるなど、対立が長期化している状況を特集した。
膳場アナは「中国の強硬措置を受けてさまざまな分野で影響が広がっています」として、藪中さん、政治家の発言でこれだけこじれた関係を修復していくために、外交の現場で有効な有効な手立てっていうのはあるんでしょうか」と、元外務事務次官の大阪大特任教授の藪中三十二氏に質問。
藪中氏は「きちんとした対話を続けていく、というのが大事」とした上で、「わずか1カ月なんですよ。高市政権できてから。始めは向こうは警戒していた。ところが施政方針演説できちんとした関係築いていくということを言って、安心して、10日後、10月31日に日中首脳会談をした。習近平(国家主席)さんが『高市さんと会おう』と。そのまた1週間後の11月7日。あの衆院予算委での存立危機事態の発言はその1週間後。中国側としてはメンツを潰された。かつ、尖閣よりも、圧倒的に本格的に、台湾の問題って、彼らにとって核心中の核心。そこに、自衛隊で出てきて戦うんだというような趣旨の発言された。むこうにとってはとんでもないこと。日本にとっては、今中国に『あんまり気持ちよくないね』と思っている人がわりと多い中で、大阪の総領事が、外交官にとってはあるまじきことを言った。局長級会談でもポケットに手を突っ込んで、『なんかけしからんね』となっている」と現状を分析した。
その上で藪中氏は「僕はこの一連の動きの中でですね、日本が時間を、変化を見誤っている。みんな、専門家も言っているのは、バイデン時代のことなんです」と指摘した。「台湾有事とかね、その前提というのは、日本が出ていくかどうかということから言えば、まずアメリカが出ていくんですよ。米軍が出ていって、そこで自衛隊が出て行くと。それが台湾有事で議論されたこと」と、解説。「バイデン大統領は4回、アメリカ軍が関与すると言ったもんですからそういうことになった。今、トランプ時代はまったく違う。トランプさん、そんなことはオレはやる気がまったく無いよと。米中首脳会談、トランプさんは多分、中国に国賓として多分行くんです。来年の4月。それからまた習近平氏が(米国に)来ると」と、トランプ大統領になって状況が変わっていることを強調した。
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その上で「そういう流れの中ですからね。11月2日、トランプさん何言ったか、習近平さん、自分に軍事的な行動とらないと、自分が大統領の間、と。その5日後ですからね。どうも、日本が国際情勢の変化というのを、トランプ時代はバイデン時代と違うと、きちんと認識していないと。そこが僕は大きなところだと思う」と指摘。日本側の国際情勢の読みに疑問符を投げかけた。
これを受け、膳場アナは「総理には、国際情勢、冷静に見て、発言を求めたいと思いますね」と、語った。
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