
一方、クワイエットラグジュアリー(Quiet Luxury:さりげないぜいたく)は、派手さを排し、素材や仕立ての良さで魅せるのが特徴です。テーラードジャケット、シルクシャツ、上質なコートなどきちんと感のある服がこれに該当します。
グレー、ネイビー、ブラックなど、ソリッドなニュートラルカラーを基調に色数を絞り、ミニマルな印象を作ります。
レイジーラグジュアリーは、ニット、オーバーサイズシャツ、ルーズシルエットのパンツなどで、肩の力が抜けたリラックス感のある印象を作ります。柔らかいニュートラルカラーやアースカラーを基調に、少し遊びのあるニュアンスカラーを取り入れると、余裕のある雰囲気を演出できます。

ニュアンスカラーとしては、ネイビーやバーガンディのような濃い色、ゴールドやシャンパンのようなリッチな色、ダスティローズやセージグリーンのようなややくすみのあるパステルカラーがおすすめです。
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アイボリーとブラウンのコーディネート

アイボリーとブラウンのコーディネートは、レイジーラグジュアリーらしい色づかいの1つ。アイボリーの明るさがブラウンの深みを中和し、自然で洗練された雰囲気に。ブラウンの温もりにアイボリーが加わることで、居心地のいい空気感を演出できます。モノトーンより柔らかいコントラストなので、堅苦しくなく大人の落ち着きが漂います。
この写真は、アイボリーのメッシュ編みの長袖ニットとブラウンのワイドパンツのコーディネートです。ニットの首周りは広めで着丈はコンパクト。ワンショルダーで着用することでくつろいだ雰囲気になり、ブラウンのロングチョーカーで遊び心を演出しています。
セージグリーンとベージュのコーディネート

セージグリーンは、2025秋冬のトレンドカラーとして最も注目されるカラーの1つ。ハーブのセージの葉から名付けられたくすみのある柔らかいグリーンは、グレーを混ぜたような落ち着いたトーンで、ナチュラルな上品さが魅力です。
セージグリーンとベージュの組み合わせは、自然の中にいるような落ち着きと柔らかさを感じさせるカラーコーディネートです。
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インナーの色やデザインで見え方や印象を調整することができるので、シーズンを問わず長く着用できるでしょう。
ネイビーとベージュのコーディネート

ネイビーとベージュの組み合わせは、上品さと柔らかさを両立した王道のカラーコーディネートです。リッチな色であるベージュの分量を多めにすると、柔らかくナチュラルな印象になり、レイジーラグジュアリーな雰囲気を楽しめるでしょう。
この写真は、ネイビーのTシャツとベージュのチノパンのコーディネートです。Tシャツはハリのあるダンボール素材で、コクーンシルエットのゆったりしたサイジング。チノパンもゆるっとしたワイドシルエットなので、リラックス感のある着姿となっています。
レイジーラグジュアリーはクワイエットラグジュアリーと共通点もありますが、よりカラフルなコーディネートを楽しめるところが魅力です。カラーパレットやコーディネートを参考に、新しいスタイルにチャレンジしてみてくださいね。
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松本 英恵プロフィール
カラーコンサルタント歴20年。パーソナルカラー、カラーマーケティング、色彩心理、カラーセラピー、ラッキーカラー(色占い)などの知見を活用し、カラー監修を行う。執筆、メディア出演、講演、企業研修の講師など幅広く活動。近著に『人を動かす「色」の科学』。(文:松本 英恵(カラーコーディネートガイド))
