限定公開( 1 )

東京都足立区で盗難車が暴走して11人が死傷した事故で、車が歩道上を時速60キロ近くで走っていたとみられることが捜査関係者への取材で判明した。警視庁は、車の窃盗容疑で逮捕された足立区の職業不詳の男性(37)が、車道からほとんどスピードを落とさずに歩道へ車を侵入させたとみて調べている。
また、横断歩道上ではねられて意識不明の重体だった足立区関原1、フィリピン国籍の会社員、テスタド・グラディス・グレイス・ロタキオさん(28)が25日、死亡した。既に死亡が確認されていた足立区栗原1の無職、杉本研二さん(81)に続き、事故の死者は2人となった。他に10〜70代の9人が重軽傷を負った。
車は事故現場から約1キロ離れた車販売店で盗まれたトヨタ車「クラウン」だった。容疑者の男性は24日午前10時20分ごろ、この店に入り、店員と会話をすることもなく2分ほどで駐車場にあった中古車に乗って走り去ったとみられる。
過去には2度この店を訪れ、車の購入を巡ってトラブルになっていたという。容疑者は運転免許は取得しており「(トヨタ車の)クラウンに乗りたかった。盗んだわけではなく、試乗だった」と容疑を否認。「車に乗って神奈川県の山の方へ行きたいと思っていた」と供述している。警視庁は刑事責任能力の有無を調べる必要があるため、容疑者の氏名を発表していない。
容疑者は停車後に逃走し、歩いて自宅に帰っていたといい、警視庁は、道路交通法違反(ひき逃げ)と自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の疑いでも調べる。【菅野蘭、松本ゆう雅】
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 THE MAINICHI NEWSPAPERS. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。