23年のジャパンCを制したイクイノックス(23年11月撮影、ユーザー提供:旅っ程さん) 史上最強馬の呼び声もあるイクイノックスだが、GI・6勝の中で最も着差をつけたのが23年のジャパンCだ。リバティアイランドやドウデュースといった強豪を寄せ付けることなく、4馬身差で圧勝した一戦を振り返る。
23年のジャパンCは超が付く豪華メンバーだった。主役は単勝1.3倍でGI・5連勝中のイクイノックスだが、2番人気以降も役者揃い。同年の三冠牝馬のリバティアイランド、前年の日本ダービー馬のドウデュース、GI・3勝のタイトルホルダー、前年の二冠牝馬のスターズオンアースなどが「打倒イクイノックス」を狙って集っていた。
レースは同年のサウジC覇者のパンサラッサが大逃げを打った。前半1000mは57秒6。向正面では2番手以下に3秒以上もの差を付けて場内を沸かせた。2番手にタイトルホルダーが付けて、直後にイクイノックス。この大本命をマークするようにリバティアイランド、スターズオンアース、ドウデュースが続いた。迎えた直線、さすがにパンサラッサの脚色が鈍り、後続が急接近。その中でも鋭く伸びたのがイクイノックスだ。必死に粘るタイトルホルダーを交わし、パンサラッサもあっさりと捕らえて先頭へ。鞍上のC.ルメール騎手がゴール前で流す余裕を見せながら、2着のリバティアイランドに4馬身差の圧勝。生涯最高といえるパフォーマンスでGI・6連勝を果たした。
この勝利によって総獲得賞金は22億1544万6100円となり、アーモンドアイを抜いて歴代トップとなった。また、ドバイSCとの同年制覇によって褒賞金200万ドルを獲得。さらにGIを6連戦6連勝はJRA史上初の記録だった。この後、イクイノックスは現役引退を発表。まさに記録尽くめの勝利でターフに別れを告げたのだった。