JR東海は11月26日、超電導リニア設備の外観検査を行うロボットの試作機「Minervα」（ミネルヴァ）を公開した。スズキおよびパナソニック アドバンストテクノロジー（PAD）と共同開発したもので、2026年2月から山梨リニア実験線での検証を始め、点検・保全業務の効率化を目指す。
【画像】「Minervα」にはどんな機能が？ じっくり見る（計3枚）
Minervαは、自律移動型の多目的ロボット。ベースにはスズキが開発中の多目的電動台車「MITRA」を採用しており、段差や砂利敷きといった不整地でも走行可能だ。外観検査用のロボットアームには、カメラや照明などの機器を搭載できる。自動充電機能も備えており、バッテリーが減ると充電スポットへ自動で移動する仕様だ。
制御面では、PADの自律移動ソフトウェア「@mobi」を搭載。検査位置に到着すると、事前に実機で操作・記録した通りに、アームが自動で動作する。
外装は25年1月に引退したドクターイエロー（T4編成）をイメージ。「子どものお絵描きでも描けるような親しみやすいデザイン」に仕上げたという。
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山梨県にあるリニア実験線には、分岐装置や乗降装置といった特有の機械設備が点在する。このため、点検箇所へのアクセスには長時間を要する他、狭い場所で体に負担のかかる姿勢を余儀なくされる狭い場所の作業もあり、作業者の負担軽減が課題となっていた。
JR東海は、リニア中央新幹線の開業後には同様の点検作業を沿線各地で行う必要があると見込み、ロボット導入による業務効率化を検討してきた。今後はMinervαを沿線各地に配置し、現地への移動や点検にかかる負担の軽減を図るとしている。
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