
不動産営業のトラブルに関する動画を「ユーチューブ」に投稿されて名誉を毀損(きそん)されたとして、不動産会社(東京都)の元社員が政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首らに損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(池田知子裁判長)は26日、立花党首に44万円の支払いを命じた。動画内で元社員の実名を挙げ「犯罪者」などと呼んだ発言が名誉毀損に当たると判断した。
判決によると、元社員は2022年10月、営業目的でNHK党の男性党員の自宅マンションを訪問。党員は営業活動に難色を示したが、元社員が玄関に入ってきたためスマートフォンで動画撮影を始めた。この動画を削除するかで押し問答となり、元社員は党員の首付近を手で押すなどして軽傷を負わせた。
警察官が駆けつけてトラブルは収まったが、党員は後日、X(ツイッター)に「頭のおかしなサイコパス」など元社員を批判する投稿をした。立花党首も元社員の実名を挙げた上で「脅して不動産を売ろうとしたのかな、買おうとしたのかわかりませんが、いろんな犯罪の疑いがある」「犯罪者がこだわったのは、証拠の隠滅」などと発言する動画をユーチューブに投稿した。
判決は、立花党首の発言について「元社員が脅迫して不動産売買をしようとした旨を指したと解されるが、重要な部分が真実であると裏付ける証拠はない」と指摘。元社員の社会的評価への影響は軽視できないとした。また、党員の投稿でも名誉毀損を認め、党員には88万円の支払いを命じた。
一方、暴行を受けて負傷した党員も元社員に損害賠償を請求した。判決は「正当防衛だった」とする元社員の主張を退け、20万円の賠償を命じた。【最上和喜】
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