
KDDIが、モトローラの折りたたみスマートフォン「motorola razr 60 ultra」を、auから12月12日に発売する。発売に先立ち、11月26日から事前予約を受け付けている。
motorola razr 60 ultraは、折りたたみスマートフォンrazrシリーズの最上位モデル。国内では既に「motorola razr 60」がオープン市場で販売され、キャリア仕様のモデルもドコモ(razr 60d)とソフトバンク(razr 60s)から販売されている。motorola razr 60 ultraも、オープン市場で12月12日に発売されるが、国内キャリア(MNO)ではKDDIが独占販売する。
au向けモデルの価格は一括18万9800円(税込み)で、「スマホトクするプログラム」を適用した際の実質負担額は12万8800円。
製品のスペックはオープン市場向けと変わらない。auの各種通信サービスの動作確認が取られており、混雑時でも快適に通信可能にする「au 5G Fast Lane」や、衛星との直接通信サービス「au Starlink Direct」に対応している。
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●高級車の内装にも使われる「アルカンターラ素材」を採用
カラーバリエーションはスカラベグリーン1色を扱う。こちらはオープン市場向けモデルも同様だ。裏面には、高級車の内装にも使われるという「アルカンターラ素材」を採用しており、温かみのある手触りを感じられる。motorola razr 60 ultraはおサイフケータイ(FeliCa)に対応しており、開発当初は裏面にFeliCaマークを入れる予定だったが、デザイン性を重視して、FeliCaマークはあえて外している。
●au向けモデルは閉じたままワンタッチでau PAYを起動できる
背面には約4.0型のサブディスプレイを搭載している。閉じたまま多彩なアプリを操作でき、小型スマホのように使うことも可能だ。au PAYアプリのQRコードも表示でき、スマホ決済も閉じたまま利用できる。さらに、auのmotorola razr 60 ultraでは、電源キーから起動できるショートカットにau PAYアプリを設定でき、閉じた状態から電源キーを2回押すか長押しするかでau PAYを起動できる。
本体を開くと約7.0型のディスプレイが現れる。アスペクト比は22:9と縦長で、解像度はSuper HD(2992×1224ピクセル)となる。ヒンジにはチタン製のプレートを採用しており、80万回以上の耐久試験をクリアして耐久性を確保した。
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折りたたんだ状態では隙間がなく、フレームが重なった部分にわずかなくぼみができているため、ここに指をかけると片手でスムーズに開ける。実機に触れると、昔の折りたたみケータイのように、つい開閉したくなるように感じた。メインディスプレイの折り目はほぼ目立たず、開いた状態では通常のスマホとして違和感なく操作できる。
●motorola razr 60よりも大きなディスプレイや高いパフォーマンスが特徴に
プロセッサはSnapdragon 8 Eliteを搭載し、メインメモリは16GB、ストレージは512GBを内蔵する。バッテリーは4700mAhのものを内蔵しており、68Wの急速充電にも対応する。 カメラは広角・マクロカメラ、望遠カメラ、インカメラ全てが約5000万画素となっており、静止画撮影は最大30倍のズームが可能。4K/60fpsや8K/30fpsの動画撮影にも対応している。
なお、弟分に位置付けられるmotorola razr 60は、プロセッサがMediaTek Dimensity 7400X、サブディスプレイが約3.6型、メインディスプレイが約6.9型、メインメモリが12GB、望遠カメラ非搭載、バッテリーが4500mAhで急速充電が最大30Wなどの違いがある。motorola razr 60 ultraは、より大きなディスプレイ、望遠レンズ付きカメラ、より高いパフォーマンスや高速充電が特徴といえる。
●サブディスプレイを見るだけでAIが起動する「Look and talk」
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モトローラ独自のAI機能「moto ai」も用意。motorola razr 60と同様に、各種通知の内容を要約してまとめる「とりまリスト」、レコーダーで録音した内容を要約してまとめる「おまとメモ」、気分に応じたプレイリストを自動生成してくれる機能などを利用できる。
motorola razr 60 ultra独自の機能として、サブディスプレイに顔を向けるだけでmoto aiが起動して音声操作や調べ物などが可能になる「Look and talk」を用意した。これは顔認証を利用したもので、あらかじめ登録した顔をアウトカメラが認識すると、自動で起動する。初期状態はオフになっているが、顔を登録した状態でオンにすると、ボタンを押さずに手軽にAI機能を利用できて便利だ。モトローラ担当者によると、アップデートによってmotorola razr 60などの既存モデルでもLook and talkが利用可能になるかは未定とのこと。
●auでは13年ぶりのモトローラスマホ なぜあえて「ultra」を採用?
意外に思われるかもしれないが、auでモトローラ製の携帯電話の扱うのは、13年ぶりとなる。それ以前にauで販売したモトローラ端末は、2012年発売の「MOTOROLA RAZR IS12M」までさかのぼる。10年以上のブランクが空いてしまったが、KDDI パーソナル事業本部 サービス・商品本部 プロダクト企画部 企画1G グループリーダーの近藤隆行氏によると、「モトローラとの関係は良好で、(razr 60 ultraでも)KDDIへの対応をしっかり行ってもらっている」という。モトローラとは1989年〜1995年に販売していた「MICRO TACシリーズ」から関係が続いており、KDDIとモトローラの歴史は長い。
今回は無印のmotorola razr 60ではなくmotorola razr 60 ultraを採用した理由について、KDDI パーソナル事業本部 サービス・商品本部 プロダクト企画部 企画1Gの三枝大我氏は「ultraを使われるお客さまはハイスペックを求めているので、最高のパフォーマンスをご体験いただきたい」と話す。アルカンターラ素材を使用したことで個性が際立つこともあり、「個性的な端末をお求めのお客さまにも届けたい」と話す。
同じくハイエンドの折りたたみスマートフォンである「Galaxy Z Flip7」とのすみ分けが気になるところだが、Galaxy Z Flip7とはmotorola razr 60の方が距離感が近いとの考え。auスマートフォンの中でも、motorola razr 60 ultraは“最上位の折りたたみ(フリップ型)スマホ”に位置付けているようだ。
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