シミだらけの「黒留袖」→孫が本気で生まれ変わらせたら…想像以上の華やかな大変身に反響

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2025年11月27日 07:30  オリコンニュース

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おばあちゃんの黒留袖。シミになっている部分も多かったそう(写真提供@kanomade)
 祖母が長年タンスに眠らせていた黒留袖。年齢的に長時間着るのは体力的に不安があり、シミも目立ち悩みの種になっていたそう。そんな黒留袖を、孫でハンドメイド作家のかのんさん(@kanomade)が華やかなドレスにリメイクした動画に反響があった。着物リメイクのコツと制作の裏側を聞いた。

【写真】祖母の黒留袖、孫がリメイクしたら…

■祖母の想いを形にした理想のドレス

――おばあさまの眠っていた「黒留袖」を華やかなドレスにリメイクした投稿に反響がありました。リメイクまでの経緯をうかがえますか?

「兄の結婚報告を父方の祖母にしたところ、祖母も何を着ていくか悩んでいました。『(私の父の)結婚式のときに着ていた黒留袖が家にあるけど、この年で1日着たら腰も痛いしご飯も食べられない』と電話で弱音を漏らしていたのを聞いて、『じゃあ私にリメイクさせて!』と提案しました。祖母も喜んでくれたので、どんなデザインがいいか細かくヒアリングしました」

――遠方にお住まいだったそうですが、どのように相談されたのですか?

「私は兵庫で祖母は福岡なので、直接会えませんでした。電話や写真でのやり取りで、『ゆるっと着られるのがいい』『ご飯を食べるから袖は少し短めで』『足は出したくないから丈は長めに』『家紋は胸元に入れたい』など要望を一つひとつ確認し、理想の形に仕上げました」

――黒留袖をドレスにする上でこだわったポイントは?

「祖母から送られてきた黒留袖はシミが多く、防虫剤の匂いも染みついていました。まずは陰干しや重曹、扇風機など、ネットで調べたほぼすべての方法を試して匂いを軽減。完全には消えませんでしたが、結婚式に着られる状態に改善できました」

――柄やデザインの調整も大変そうですね。

「黒留袖は裾に大きな柄があるので、どの部分を前面に出すかを何度もパターンで確認しながら縫いました。シミがあり使える面が少なかったため、他の生地と組み合わせる必要がありましたが、重くなりすぎないように、黒留袖の雰囲気を損なわず馴染む配色を祖母と相談して選びました」

■形見など大切なもののリメイクには“事前の十分なヒアリング”がポイントに

――リメイクの際に注意すべきことはありますか?

「まず、柄や家紋の配置を最初に決めることが大切です。黒留袖の生地幅は洋裁用生地より細いため、普通の型紙で裁断すると幅が足りず、途中で切り替えが必要になります。私も初めは裁断時に悩みました」

――他にはいかがでしょうか?

「アイロンの温度も重要です。高温だと柄が溶けたり、古い絹は非常にデリケートで、黒だとテカリが出やすいので要注意です。また、形見など大切なものをリメイクする際は、事前のヒアリングをしっかり行うことが成功のポイントだと思います」

――ハンドメイド作家・コスプレ衣装作家として活動するかのんさん。Instagramの発信を通して伝えたい想いと、今後の展望についてお聞かせください

「来年(2026年)春にカナダのバンクーバーで着物リメイクドレスを中心にしたファッションショーに出演します。この大きな挑戦を、SNSを見てくださっているみなさんと一緒に盛り上げていきたいと思っています。そして私の密かな夢は、1年に1回海外で着物リメイクのショーに出演すること!(次はパリに行きたい…)世界中に着物の魅力を広めて、眠っている着物を“今の暮らしに馴染む形”で楽しめる未来を作りたいです」

――オンラインサロンの活動についても教えてください。

「私はオンライン洋裁サロンを運営しており、現在45名の受講生が在籍。コスプレ制作が入り口の方も多いですが、着物リメイクに興味を持って継続してくれる方も多く、一緒に製作や販売を行う取り組みも始まっています」

――ハンドメイド活動を広める上で大切にしていることは?

「一人のお客さまに向けて丁寧に作るオーダーメイドこそ、これからの時代に求められる価値だと思っています。『自分の手で特別な一着を作れる喜び』を、もっと多くの方に知ってもらいたい。その想いで、受講生の挑戦を後押しできるサロンを育てていきたいです」

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