京王電鉄「民鉄初」ミリング式レール削正車、2026年1月から試験運用
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2025年11月27日 21:10 マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース京王電鉄は27日、超硬合金チップを備えた切削装置によってレールの頭頂面を削る「ミリング式」のレール削正車を民鉄で初めて導入すると発表した。2026年1月から京王線全線で試験運用を始めるとしている。
レール削正車は、レール頭頂面の凹凸を除去して形状を整え、レール破断の原因となる傷の発生を抑えるための保守車両。京王電鉄はこれまで、砥石による研削方式を採用していたが、広範囲での削正が難しく、傷の状況や列車の累積通過重量に応じてレール交換を行う必要があり、夜間作業の増加や交換頻度の多さが課題となっていた。
新たに導入するミリング式は、縦方向に回転する超硬合金チップを備えた切削装置でレール頭頂面を削り、仕上げとして砥石で断面を整えることで、レール頭頂部を新品に近い形状へと復元可能。従来方式のレール削正車は作業対象部分を数回往復する必要があったが、ミリング式のレール削正車は1回の走行で作業を完了できる。レール頭頂面の傷んだ層を確実に除去することからレールの延命にもつながり、レール交換量を3割以上削減できる見込みだという。
京王電鉄が導入する車両はローベル社製「ROMILL 600 DT」。ミリングユニットを備えた「ROMILL Work」と、ミリングチップ作業室を備えた「ROMILL Supply」の2両1編成で構成される。切削により発生した切りくずを車両のコンテナに直接回収してリサイクルするしくみで、作業効率と環境面の双方に配慮した設計に。双方の車両に動力があるため、どちらかのエンジンにトラブルが発生しても走行可能となり、保守作業時の冗長性も確保できる。(佐々木康弘)
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