
世界的ドラマに出演していた日系3世のアメリカ人俳優が、第二次世界大戦中に強制収容所にいた体験を日本語版の絵本にしました。日本人に語り継ぎたい平和への思いを取材しました。
世界的に人気のSFドラマ「スター・トレック」。宇宙船の操舵士、ヒカル・スールー役を演じたのが、日系アメリカ人俳優のジョージ・タケイさん(88)です。
日系アメリカ人俳優 ジョージ・タケイさん
「こんにちは、私はジョージ・タケイです」
今週、都内のイベント会場に、タケイさんの姿がありました。
日系アメリカ人俳優 ジョージ・タケイさん
「私の子どものころの経験が日本語に翻訳されたことによって、日系アメリカ人に起きたことをより多くの人に伝えることができます」
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アメリカ・ロサンゼルスで生まれた日系3世のタケイさん。第二次世界大戦中、5歳のときに日系アメリカ人強制収容所に送られた経験があります。この経験を日本語版の絵本にしたのです。
絵本「ぼくらの自由がうばわれる時」より
「ドン、ドン、ドン!アメリカ軍の兵隊がドアをたたいた。ぼくらに出ていけって命令しにきたんだ。兵隊たちが軍用車で収容所に乗り込んでくることもあった。女の人たちはわめいたり泣いたりしていた。その声はいまも耳の奥に残っている」
3つの収容所を転々とさせられ、鉄条網の中で過ごした4年間。絵本には、当時タケイさんが子どもながらに感じた人種差別の現実が描かれています。
1942年、当時のアメリカ政府は、およそ12万人もの日系人たちを「敵性外国人」とみなし、強制収容所に送りました。それは単なる過去ではなく、時代を越えた今もなお、世界に影を落としています。
たとえば、現在のアメリカはトランプ政権が外国からの移民たちに厳しい政策を押し進めています。アメリカ全土で抗議デモが広がっているにもかかわらずです。
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きょう、トランプ氏は「各国からの移民受け入れを恒久的に停止する」と表明しました。タケイさんはかつて日系アメリカ人が経験したことと「同じことが繰り返されようとしている」と危機感を示します。
日系アメリカ人俳優 ジョージ・タケイさん
「(当時のことは)決して忘れることができません。世界中の人々に、いかに民主主義が脆いかを知ってもらいたいです」
きのう発売された日本語版絵本。事前のサイン会に参加した人は…
参加者
「後世にこのようなことが起こらないように、何かできるアクションの糧になればなと思って読むことを楽しみにしています」
タケイさんはこれからも平和が崩れないよう、戦争の経験をより多くの人に語り継ごうとしています。
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