
中古車販売事業を展開するCarMaxの2026年度第2四半期の決算説明会によると、同社は今後18カ月間に少なくとも1億5000万ドルの営業費用削減を実現する上で、AIおよびテクノロジーへの投資が大きな役割を果たすと見込んでいるという。
●投資の段階を経て、成果を得ようとするCarMax
CarMaxのエンリケ・マヨール=モラ氏(エグゼクティブ・バイスプレジデント兼最高財務責任者)によると、現在進行中のAIプロジェクトは顧客体験を向上させ、業務効率の改善につながっているという。一例として同氏は、AIを活用したバーチャルアシスタント「Skye」と、エージェント機能を強化した「Skye 2.0」を挙げた。また、テクノロジー投資によって、レガシーシステムの廃止や、特定機能の削除、契約サービスのライセンス数の削減が可能になり、コストの抑制に寄与している。さらに、チームはAIを活用して、外部ベンダーとの契約書をより頻繁に精査できるようになっているという。
マヨール=モラ氏は今後の方向性について次のように述べた。
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「当社がオムニチャネル化に向けた変革の一環として実施してきたテクノロジーおよびシステム、プロセスへの投資は、支出の大幅な削減につながるだろう。コスト削減によって得られる資金の一部は、売上高に直接結び付く分野への再投資に充当する予定だ」
CarMaxのCEOであるビル・ナッシュ氏によると、厳しい四半期を乗り越えたタイミングで、同社はコスト削減とそれに関連するテクノロジー施策へ注力したという。
第2四半期において、CarMaxの売上高は前年同期比で6%減少し、販売台数も5.4%減少した。
決算説明会の中で、ナッシュ氏は次のように述べた。
「第2四半期の業績はわれわれの期待に届かなかったものの、今後も販売拡大および市場シェアの獲得、長期的な観点での大幅な利益成長の実現に注力していく。今後の焦点は、可能な限り俊敏に対応することだ。現在の市場環境は非常に競争が激しい」
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2025年、自動車メーカーや販売業者は関税による財務的な負担や、消費支出の減速といった厳しい状況を乗り越えなければならなかった。多くの企業が、これらの圧力を和らげるための重要な手段としてテクノロジーの活用に踏み切っている。
IBMが2025年7月に発表したレポートによると、生成AIの主な活用事例として、先進運転支援システムやカスタマーサポート、シミュレーション、サプライチェーン、ソフトウェア開発、予知保全、診断といった分野が挙げられている。また同レポートによると、2025年の初めに100人以上の自動車業界幹部を対象に実施された調査では、AIを長期的なイノベーション戦略にどのように統合させるかについて明確な方針を持っているリーダーは約3分の2に上ることが判明したという。
ITおよびデータ基盤の強化により、CarMaxは最新のAI技術を多様なユースケースに活用できるようになった。各取り組みは成熟度の異なる段階にあるが、全社的にAIの導入が進んでいる。従業員向けの取り組みとしては、「Microsoft 365 Copilot」をはじめとするAIコーディングを支援するアプリの導入が挙げられる。
取り組みの一環として、経営陣はプラットフォームの分断が生じる可能性に注意を払い、可能な限り統合を進める方針を採用している。
「自社をオムニチャネル型の小売業者へと変革する過程で、私たちは投資のフェーズにあったということを忘れてはならない。投資の段階を終えた今、次に目指すべきは最適化と支出の合理化である。現在、私たちはまさにその段階にあるのだ」(マヨール=モラ氏)
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