スーファミ野球ゲームの原点!?『白熱プロ野球ガンバリーグ』【プロ野球ゲーム遊戯】

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2025年11月29日 09:31  ベースボールキング

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1991年8月に発売された『白熱プロ野球ガンバリーグ』
 スーパーファミコン黎明期を支えた野球ゲームがある。



 有名なパワプロやファミスタではない。『白熱プロ野球ガンバリーグ』(エピック・ソニーレコード)である。1990(平成2)年11月21日に発売された任天堂のスーパーファミコンは、翌91年になると、5月にあの燃えプロシリーズの進化版『スーパープロフェッショナルベースボール』(ジャレコ)、7月に『スーパースタジアム』(セタ)、『スーパーウルトラベースボール』(カルチャーブレーン)と立て続けに野球ゲームがリリースされる。



 話題の新ハード・スーパーファミコンのソフトと少年たちにすぐ伝わるよう、タイトルに「スーパー」が当然のように入る野球ゲーム新時代の到来。ちなみに国民的漫画『ドラゴンボール』で孫悟空が初めてスーパーサイヤ人に変身したのが、1991年春の週刊少年ジャンプ第15号なので、平成キッズたちの世界では空前の「スーパー」ブームが到来していた。



 しかし、スーファミ黎明期の野球ゲーム市場は、リアル系プロ野球描写にこだわるジャレコ、麻雀ゲームで知られるセタ、魔球や秘打が売りのウルトラシリーズとどれも個性的かつ癖の強いラインナップが揃い、ファミコン時代のファミスタシリーズのように誰もが手軽に楽しめる野球ゲームが求められていた。



 そこに登場したのが、1991年8月9日発売の『白熱プロ野球ガンバリーグ』だった。定価8500円。パッケージ裏面のキャッチコピーは「ベースボールゲーム、No.1 宣言!!」と異様にシンプルで、4枚のキャプチャー画像以外に情報がまったくない。しかも、メインビジュアルは可愛らしい野球少年の両脇にチアガールというコンセプトが謎すぎて強烈なインパクトを放っていた。







 選択できるチームは、パ・リーグがモデルのリンクス、ブレークス、ファインズ、バックルス、オニオンズ、ハロースという6球団のALL Pリーグ。セ・リーグがモデルのALL Cリーグがギブソンズ、ホイッスルズ、ドラフツ、キャロッツ、スインガーズ、タイマーズとなっている。エディットチームもあるので、例えば60本塁打の最強スラッガー「おおたに」も作成可能だ。



 3つある球場は、東京ドームモデルのガンバドーム、甲子園ベースでラッキーゾーンのあるウエストスタジアム、中堅150メートルの広大なマッシブスタジアム。当時は西武黄金時代で戦力的にはライオンズ……じゃなくてリンクスが頭ひとつ抜けている。「あきさん・きよ・ですとろ」のクリーンアップは全員パワー15以上(平均値は8〜9)と破壊力抜群。あきさんは走力も15とガンバリーグ最高クラスのオールラウンダーとして君臨する。







 そして実際に試合を遊んでみると、投球コースの高低もなく、ミートカーソルもないシンプル仕様。驚くほどスムーズにプレーできる。初めてやったのに初めてとは思えない。だって操作感はファミスタだから……ってあれ? 当時、多くの少年たちは思った。内野安打が出やすいとか、スイングタイミングがややシビアとか細部の違いはあれど、「これ、ほとんどファミスタじゃん」と。ホームランを打つとチアガールたちが盛大に祝福してくれる演出はクオリティが高く好評だったが、今となっては、本作をファミスタの亜流として覚えている人も多いかもしれない。



 だが、実際にスーファミソフトの『スーパーファミスタ』が発売されたのは1992年3月27日で、初代ガンバリーグの方が半年以上も先に世に出ているのだ。新ハードで実験的な癖の強い野球ゲームが乱立した時期に、極めてオーソドックスな操作性と程よくデフォルメされたベースボールをスーファミユーザーにいち早く届けてくれたのが、『白熱プロ野球ガンバリーグ』だった。











 この後、ガンバリーグシリーズはスーファミで3作品リリースされるも、1992年12月11日発売の『白熱プロ野球ガンバリーグ’93』から球団・選手名が実名となり、程よくユルかった作品の魅力が半減する。皮肉にも実際のプロ野球に寄せた分、堅い雰囲気となり、チアガールたちの独自演出も減って、かえって作品の自由度が狭まってしまった。結局、1993年12月10日発売の『白熱プロ野球ガンバリーグ’94』を最後にその役目を終えることになる。



 ゲーム最強投手のバックルズの奪三振マシーン「のぼ」を使い、リンクスの「きよ」との平成の名勝負を堪能するもよし、91年の日本シリーズを再現してキャロッツとリンクスで対戦するのも盛り上がること必至だ。



 確かに長くゲーム史に残る名作ではないかもしれない。それでもスーパーファミスタもパワプロもまだ世に出ていない1991年8月、少年たちの夏休みの思い出にしっかりと刻まれた一本。シンプル操作で誰にでも簡単に楽しめる『白熱プロ野球ガンバリーグ』は、スーファミ野球ゲームの原点とも言える佳作のひとつだろう。







文=中溝康隆(なかみぞ・やすたか)

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