
「目の前の仕事、人間関係のこと……ついついストレスをためてしまうことがありますよね。そんなとき、私は『今日は私の誕生日!』と自分に言い聞かせます。そうすると『ストレスって小さいことだな』って思えてくるんです」
瞳を輝かせて話すのは、歌手のアグネス・チャンさん(70)だ。
艶やかな頬で笑みを浮かべる彼女は、8月に“古希を迎えたとは思えない”とSNSで話題になるほど、若々しい。
「私のメークのポリシーは、とってもシンプルです。『肌がよく見えれば、若く見える』、それだけ!」
こう言い切るアグネスさんだが、「ファンデーションでのカバー」は大切にしているとも。
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「でも、気に入っているファンデーションが『今日はしっくりこないな』と思うこともあります。そういうときには、私は無理に使い続けないで、新しい商品を試すようにしているんです」
メンタルの持ちよう、お化粧のルーティン、この2つの“心がけ”を聞いただけでも、彼女の“ポジティブさ”がよくわかる。
「年齢を重ねると、どうしても『外見の若さ』が気になりますよね。でも、気分や心の若々しさが、外見に出るものなんだと私は思う。だから、『内側の若さ』、気持ちの若々しさこそ大事なんです」
そう話すアグネスさんの“若さの秘密”に迫った。
■情熱も応援も大きくて、本当にうれしかった
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アグネス・チャンさんは、1955年8月20日、香港生まれ。
6人きょうだいの4番目に生まれた三女で、14歳のとき香港でスカウトされ、歌手デビューした。
「香港でのデビュー曲がヒットして、映画にも主演。『人生が変わった』と思っていたら、17歳で日本からお声がかかったんです」
1972年、日本デビュー曲『ひなげしの花』が大ヒット。
「日本で私の歌がヒットするのかどうか、想像できませんでした。でもファンの方の情熱も、応援も、思いがけないほど大きくて、本当にうれしかったんです」
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1973年10月に発売した4枚目のシングル曲『小さな恋の物語』で、初のオリコン1位を獲得。同年大みそかには『草原の輝き』で第15回日本レコード大賞新人賞、『NHK紅白歌合戦』にも出場。
1973年に上智大学国際学部に入学、その後はカナダ・トロント大学に留学して、社会児童心理学を学んだ。そして1985年にマネジャーだった日本人男性と結婚、1986年に長男を出産した。
さらに1989年、アメリカ・スタンフォード大学教育学部博士課程に留学(1994年、教育学博士号を取得)、同年に次男を、1996年には三男を出産。1998年に、日本ユニセフ協会大使に就任している。
歌手として香港で、日本で大成功、そして結婚、3児の母……幸せのすべてを手に入れたアグネスさんが、思いがけないピンチに見舞われたのは、2007年のことだった。
「ある日、ふと右胸にかゆみを感じて、無意識に手を当てた瞬間、小さなしこりに気づいたんです」
同年9月、細胞診の結果「乳がん」と診断された。アグネスさん52歳、三男はまだ小学生だった。
「私はそのとき、がんを『隠すもの』にしたくありませんでした。悪いことをしたわけではないのだからと、公表したんです」
10月に手術し、その後は約2カ月間の放射線治療、さらに5年間のホルモン治療を受けた。
「ホルモン治療は飲み薬だけですが、私にはとてもつらい治療でした。更年期障害のような強い症状が出て、心身ともにつらかった」
そんな状態のアグネスさんを救ったのは、「多くの方からの励ましでした」と振り返る。
「あのとき病気を公表したことで、『あなたの笑顔に勇気づけられました』『私も検診に行こうと思いました』と声をかけてもらうようになりました。そんな言葉の数々に、私自身が救われたんです」
それが、アグネスさんを一層「前向きに生きよう!」と思わせる出来事になったのだ。いまでは乳がんを克服し、年1回の定期検診を受けるだけに。
そんなアグネスさんは、今年8月の70歳の誕生日に出版した最新刊『70歳、ひなげしはなぜ枯れない 心も体もしなやかでいるための45のヒント』(ワニブックス)で、今年6月に最愛の母・リタさん(享年100)をみとったことを告白した。
「母は認知症を発症し、闘病生活も長かったので、覚悟はできていました。入院中の晩年は特に、ゆっくり向き合う時間も持てました。
私が歌を歌ってあげると『もっと歌って』と言うかのように、私の手をギュッと握ってくれたんです」
アグネスさんのポジティブ思考は、母譲りでもあったようだ。
「母はどんな困難を迎えても、弱気なところを見せませんでした。私が乳がんになったときも、『絶対に治る! 弱気になったらダメだ』と」
「弱気になったらダメ」と口癖のように言う亡き母から「強く生きる」ことを学び、乳がんを克服して15年近くがたつ。
■食事、運動、心の持ち方とほんの少しの習慣が大切
その若々しさ、そしてポジティブ生活の基本は「食事、運動、心の持ち方」として「ほんの少しの習慣が大切」と話す。
そんなアグネスさんの1日は「朝の光を浴びること」から始まる。
「朝起きたら真っ先にカーテンを開け、晴天なら窓も開けます。深呼吸しながら朝の光を浴びるだけで、ハッピーホルモンといわれる『セロトニン』が分泌されるんです」
アグネスさんは、朝日を浴びると「気持ちがシャキッとして、体の中のエンジンがゆっくり動き出す感覚になる」という。セロトニンの分泌には「部屋に花を置く」ことをすすめる。
「たった1輪でもいいんです。部屋の中に花があるだけで、パッと明るく、気持ちが華やぎますよ」
食事は「1日2食(+朝ジュース)」という組み合わせだ。
「朝ジュース」とは、「酵素たっぷりの生ジュース」のこと。ほうれん草、きゅうり、りんご、レモン、生姜を少しに、水を加えてジューサーでつくる。
「ジューサーで細かく砕けば、細胞壁が崩れて、酵素やビタミン、ファイトケミカルといった栄養が体に届きやすく、抗酸化作用もバッチリ」とアグネスさん。
食事は「だいたい11時ごろと18時ごろ」に取ることが多い。
「11時ごろの食事が1日のメインで、お肉や魚も食べて、バランスのいい食事を心がけます」
炭水化物は控えめにし、「ご飯は少なめ」だという。
「18時ごろの食事は、肉や野菜を入れた具だくさんのスープが中心。夜は主食を控えています」
かなりストイックに思えるが、
「ご安心ください。『たまにはスナック菓子やケーキ』も食べます。ストレスをためるほうが、よくないんです」
■自然と触れ合うことでハッピーホルモンが出る
このように、「完璧を目指さない」のが、継続の秘訣だそうだ。
「なんでもそうですが『もっと上手になってから』とか『準備が整ってから』と思っていると、いつまでたっても始まりません。
ですので『まずはやってみよう』『とりあえず形にしてみよう』と、とにかく始めることです」
運動面では、「軽いストレッチ」をアグネスさんは実践中だ。
「ウオーキングや軽いストレッチといった緩やかな運動が、セロトニンの分泌のスイッチになります」
これは、朝起きて、日光を浴びる流れで行うといいだろう。ウオーキングの際は、「緑豊かな公園を散歩する」のもアグネスさん流だ。
「自然と触れ合うのが、いちばんハッピーホルモンが出る方法だと私は思います。イメージは『森林浴』、実際は、近くにある緑の多い公園などでいいんです。
そして『ボーッとして何も考えない時間をつくる』と、心のしわをスーッとのばしてくれるイメージになれますよ」
心の持ち方としては、冒頭で挙げた「ファンデーションや化粧水を変える」ことも、大事という。
「いままで使っているものだからといって、それに縛られて使い続けていませんか? しっくりこないと思ったら、新しいものを試しましょう。お肌も生き物なので、『いまのお肌に合うか』を優先してあげましょう!」
そして「数百円のアクセサリーで気分を上げる」とは?
「イヤリングやネックレスは、特別な場だけのものではないんです。数百円台の“プチプラ”でも本当にかわいいものもあります。安いからこそ冒険できるし、気軽に着け替えられます。小さな発見やときめきが、日々の暮らしをほんの少し、明るくしてくれるんです」
アグネスさんの“若々しさ”の秘訣十カ条を生活に取り入れ、ハッピーホルモン全開で若さを保とう。
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