長岡一也さん(フリーアナウンサー)【長岡一也=コラム「競馬白書」】
◆斤量差にアドバンテージがある3歳馬に注目
毎年海外からの強豪が参戦するようになったジャパンCだが、外国馬が勝ったのはずっと以前、2005年のアルカセットまでさかのぼらなくてはならない。それだけ、外国馬にとってジャパンCは高い壁になっていると言っていい。特に欧州勢にとっては、芝生の状態が違うことに加えて、日本のレースは道中の流れが速いという話を聞いたことがあった。これは逆のケース、日本馬が海外に遠征したときにも言えることで、競馬の中身が違うその壁をどう乗り越えるか、国際レースの課題はそこにあるということだろう。
今年は、欧州年度代表馬に選出されたカランダガンが出走することで世界が注目しているが、このケースは2006年のウィジャボード(ここでは3着)以来19年ぶり。これを上回る成績を残せるかどうかだ。
カランダガンは2歳時に去勢されたせん馬で凱旋門賞の出走資格はなかったが、4歳になってから集中力がつき、6月のサンクルー大賞、キングジョージVI世&クイーンエリザベスS、英チャンピオンSとどれもが完勝で目下G1・3連勝中。どんなペースでも、どんなコースでも終盤に追い上げてくる力は、デビュー戦3着後は、12戦連続連対中の成績が証明している。
一方の迎えうつ日本勢だが、近年レベルが格段に上がっている。今年は、ここ3年のダービー馬が揃って出走してきた。
中でも昨年のダービー馬ダノンデサイルは、有馬記念3着からのぞんだAJCCを勝って海外に向かい、この春ドバイSCでカランダガンを破っている。中団から目の覚めるような末脚を見せていた。前走の英インターナショナルSは少しテンションが高くなって好位からの伸びを欠いたが、しっかり立て直してどこまで本領を発揮できるかだろう。
このジャパンCは、斤量に年齢差によるアドバンテージが3歳馬にあり、毎年のように馬券圏内に3歳馬が入ってきた。その中でも牝馬はさらに有利で、7年前にアーモンドアイが3歳で勝ったときは斤量は53キロだった。今年はこのケースはないが、今年の日本ダービーで1、2着に来ていた牡馬のクロワデュノールとマスカレードボールに食指が動く。
今年のダービー馬クロワデュノールは海外遠征のほろ苦い経験を生かし世代の頂点に立った力を見せてほしい。出走態勢がととのったとなれば、実力を見せてくれるだろう。
秋の天皇賞を3歳馬として3年ぶりに制したマスカレードボールは、だんだん加速していくレースぶりが、あのイクイノックスに似ているとパートナーのC.ルメール騎手は語っていた。この2頭の3歳馬は、主力に推すだけの存在であり、これにカランダガンが、外国馬としてどこまで食い下がれるかとまとめておきたい。
残るダービー馬ダノンデサイルは落ちつきを取り戻していれば、当然圏内に入る実力はある。タスティエーラは半年ぶりの実戦を叩かれた成果に少し期待を持っておく。
「迎え撃つ ずらり強豪 大一番」