かみのやま競馬関係資料展の様子(提供:公益財団法人上山城郷土資料館) 山形県上山市の上山城で、企画展「初開催から90周年記念 かみのやま競馬関係資料展」が行われている。当初は12月初めまでの会期だったが、好評により来年1月12日(月)までの延長が決まった。
かみのやま競馬は2003年に閉場。岩手競馬、新潟県営競馬(02年廃止)と持ち回りで重賞競走を実施するなど、長きにわたり東北地区の地方競馬を盛り上げた。JRAで“逃亡者”と親しまれたツインターボも晩年に所属したほか、のちに南関東のビッグレースを勝つダイコウガルダン、コーナンルビーなども活躍。また、開催末期の00年にデビューしたジーナフォンテンは、JpnI・2勝を挙げる現役馬カジノフォンテンの母として知られる。
今回の開催にあたっては、担当者である長南伸治(ちょうなん・しんじ)さんの熱き思いがあった。「90年前に競馬が上山で初めて開催されたのが、実施の主たる動機となっているのですが、私自身も競馬が大好きで、いつか上山競馬に関する展示をやる機会をうかがっていました。それだけに初開催から90年にあたる今年を逃がすことはできませんでした」。
2018年に競馬場閉鎖15年を期して展示を行ったが、今回は当時より大幅にボリュームアップ。半数以上は初めて披露される展示物となる。「企画展の発案当初は所在が確かな資料が本当に少なく、正直なところ焦りました」と実現までには困難もあったが、周囲に資料提供の募集をかけたところ、予想外の数と種類の品々が集結。「閉鎖されてもなお上山競馬を愛し続けてくれていた、みなさんの力に助けられました」と感謝を口にする。
苦労したかいもあり、上山競馬の元関係者、ファンからは「とにかく懐かしい」と好評だ。訪れた人からは展示物の豊富さに驚く声も多い。一方、上山市に競馬場があったことを初めて知る人もおり、長南さんも「時代の流れを感じる」としみじみ。歴史を語り継いでいく意味でも、大きな意味を持つ企画展となっている。
長南さんは「ただ懐かしいというだけではなく、多種多様な資料から、上山競馬の始まりから終わりまでの歴史を学ぶことができます。あと、今回の展示のために借用をお許しいただいた品の多さから、閉鎖されてもなお多くの人が、上山競馬に対し熱い思いを持ち続けていることを感じてもらえると思います」とアピール。「上山競馬の歴史とそれに関わった人々の思い、この2つをご堪能いただければ、企画展担当者として、これ以上のよろこびはないですね」と笑顔で来場を呼びかけた。
昭和10年頃から平成前期にかけて撮影された競馬場内外の施設をとらえた写真、騎手が使用していたムチや勝負服、当地を舞台に撮影されたドラマ『西部警察』や映画『流★星』のロケ時に撮った写真やグッズなど、展示品はさまざま。かみのやま競馬をよく知る人も、そうでない競馬ファンにとっても一見の価値あり。ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
(文:中川兼人)
【開催の詳細】
■企画展「初開催から90周年記念 かみのやま競馬関係資料展」
開催期間:2026年1月12日(月)まで
アクセス:山形新幹線・かみのやま温泉駅から徒歩7分の上山城内
入館料:大人600円、高校大学生500円、小中学生200円、未就学児無料
営業時間:9時から17時15分(元日のみ7時〜16時15分)
休館日:元日を除く毎週木曜日と12月29日〜31日