認知症リスクが40%減る人とそうでない人。差を生むのは"たった1つの習慣"

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2025年12月01日 08:20  マイナビニュース

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道でつまずいたり、動作が遅くなったと感じることはありませんか? 実はそれ、筋力の低下だけでなく「脳の老化」が原因です。この記事では、脳の老化について研究してきた遠藤英俊氏が人生100年時代を元気に楽しむための方法を解説した『こうして脳は老いていく』(著者: 遠藤英俊/アスコム)から一部を抜粋して紹介します。



今回のテーマは『いつもよりちょっとだけ「おしゃべり」になる』。

○いつもよりちょっとだけ「おしゃべり」になる



おしゃべりも予備脳を強くする素晴らしい方法です。



毎日、家族や友人、近所の人とちょっとした会話を楽しむだけで、脳にはうれしい刺激になります。



誰かと話すとき、脳はフル回転します。相手の言葉を聞き、意味を理解して、自分の思いを言葉にし、ときには笑ったり共感したり。こうした一連の流れは、記憶力や考える力、感情などをつかさどる機能を刺激します。



日本の久山町研究(九州大学)によると、60歳以上の高齢者を長年調べた結果、話し相手が少ない人は認知症の発症リスクが1.5倍高いことがわかりました。



海外の研究では、家族や友人とよくおしゃべりする人は、認知症のリスクが40%も減るという報告もあります。



おしゃべりは、脳の筋トレのようなものなのでしょう。話せば話すほど脳に負荷がかかり、脳がどんどん活性化するということです。



おしゃべりは心にもいい影響を与えます。



誰かと話すと、なんだかほっとしませんか?



それは、脳内で「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンやドーパミンが分泌されるからです。ストレスを減らし、寂しさや落ち込みをやわらげてくれます。東京都の研究によると、1日に2時間くらい人と話す高齢者は、気分が落ち込むことが少なく、幸せを感じやすいそうです。



おしゃべりは長編小説のように長々と話す必要はなく、週に2〜3回、誰かと話すだけで十分。厚生労働省も、「週に何回か人と話すこと」をすすめています。



特に、年を取ると人とのつながりが減りがちです。



仕事を辞めると、それだけで人付き合いが減ります。プライベートでの付き合いがない相手とは、退職後はほとんど会うことはないと思います。悲しいことですが、家族と別れることもあるでしょう。



もともと人付き合いが苦手で、ひとりでいることが多かった人は、年を取っても変わらずひとりでいることが多いのではないでしょうか。



また、あくまでも傾向ですが、男性より女性のほうが共感力が高く、感情を共有する会話や人間関係を築くことに積極的であるといわれます。



おしゃべりの習慣化を、あまり難しく考えないことです。



家族や友人が近くにいる人はいつでもおしゃべりできると思いますが、いない場合は、週に何回か、電話をかけてみましょう。ビデオ通話でもいいと思います。おしゃべりの機会をつくることが大事です。



「最近どう?」「元気にしてる?」などと短い会話で十分です。



ちょっとしたやりとりから会話が続くと、脳はどんどん刺激されます。



もちろん、おしゃべりの相手は誰でもかまいません。



近所の人でも、趣味仲間でも、お店の店員さんでもいいでしょう。近所の人に「こんにちは」とあいさつをしたり、お店の店員さんに「ありがとう」と声をかけたりするだけでも脳に刺激が加わります。



そのためにも、おしゃべりの相手が思いつかない人は、家に閉じこもらず、少しでも外に出るよう心がけてください。



ただ、気をつけたいのが楽しくない会話。



話していてストレスがたまるようでは逆効果。相手の対応にもよりますが、自分からはとにかく笑顔で話せる、楽しいおしゃべりを心がけましょう。



人と話すのが苦手な人は、無理に長く話そうとせず、自分のペースで始めることです。


○『こうして脳は老いていく』(著者: 遠藤英俊/アスコム)


人生100年時代を楽しく過ごすためには、脳の衰えた機能をカバーしてくれる「予備脳」を強くする必要があります。この予備脳を強くすれば、認知症だけでなく、寝たきりも予防できるのです。そして、予備脳は90歳を過ぎても強くできます。本書では「今日からすぐ始められる、脳を刺激する工夫」「予備脳を強くするトレーニング」「脳を老化から守る食事や食品」を紹介しています。()

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