醸造ミスから生まれた奇跡の酒 「甲子 酒々井の諸事情」12月中旬より数量限定発売

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2025年12月01日 09:50  おたくま経済新聞

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醸造ミスから生まれた奇跡の酒 「甲子 酒々井の諸事情」12月中旬より数量限定発売

 千葉県印旛郡の酒蔵、飯沼本家が、醸造ミスから生まれた特別な日本酒「甲子 酒々井の諸事情(きのえね しすいのしょじじょう)」を12月中旬に緊急発売。杜氏の試行錯誤によって奇跡の復活を遂げた、今回限りの味わいが楽しめます。


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 ベースとなっているのは、飯沼本家が1年に1日だけ出荷する人気限定酒「酒々井の夜明け」。搾ってから24時間以内に出荷される鮮度抜群のお酒で、1日3万本以上を売り上げる看板商品です。


 ところが今年、その醸造過程でまさかの事態が発生。隣のタンクに入れるはずだった「精米歩合70%の蒸米」と「醸造アルコール」を、誤って「酒々井の夜明け」の仕込みタンクに投入するミスが起きました。


 純米大吟醸になるはずだったお酒はこの時点で「普通酒」に。さらに高濃度のアルコールで酵母が死滅し、発酵が止まる恐れもあったといいます。


 杜氏は一時「日本酒にならないかも」と眠れない夜を過ごしたものの、残った酵母の力を信じて発酵を見守ることに。日々のもろみの状態を見ながら追水を打ち、アルコールを抑え、酵母にストレスを与えないよう管理した結果、最悪の事態を回避できました。


 出来上がってきたお酒は「酸が少なく、ハリの無い味わい」だったことから、もろみ末期に白麹で造った麹を追加して酸味を足し、香味を調整。その結果、商品として自信を持って出せるレベルへと生まれ変わらせることに成功しました。


 完成したお酒について、杜氏は「醸造アルコール感をあまり感じなかったのには驚いた」とコメント。「甘めの酒ではありますが、白麹由来のクエン酸がアクセントになっていて、とても面白い酒に仕上がったと思います」と述べています。


 飯沼本家も、「『酒々井の夜明け』受注ストップにより、ご迷惑やご心配をおかけしたのにもかかわらず、多くのお客様からはこの“酒々井の諸事情”の発売を『楽しみにしているよ』と温かい言葉をたくさんいただきました」と感謝のコメントを発表。「ぜひ多くの皆様方にご支援をいただき、ミスから生まれた今回限りの特別な商品を味わっていただけますと幸いです」と話しています。


 「甲子 酒々井の諸事情」は12月中旬より蔵元出荷が開始され、全国の取扱店にて発売予定。1.8リットル入り(税込3520円)が3000本、720ミリリットル入り(税込1760円)が1万5000本の数量限定です。

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 天谷窓大 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025120101.html

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