63歳から特別支給の老齢厚生年金は受け取れますか?また、65歳前に退職したら失業保険はもらえる?

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2025年12月01日 18:30  All About

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年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、63歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れるのか、失業保険ももらえるのかを知りたい人からの質問です。※サムネイル画像:PIXTA
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、63歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れるのか、失業保険ももらえるのかを知りたい人からの質問です。

Q:63歳から特別支給の老齢厚生年金は受け取れますか?65歳前に退職したら失業保険はもらえる?

「昭和38年生まれの女性です。現在の勤務先には30年以上勤め、60歳以降も給与が下がらないまま1年ごとに再雇用されています。総支給額は交通費込みで月51万円ほどです。63歳からの特別支給の老齢厚生年金は受け取れるのでしょうか? また、65歳の少し前に退職した場合、失業保険は受け取れますか?」(ひろさん)

A:63歳から特別支給の老齢厚生年金はもらえますが、在職老齢年金により一部停止の可能性が高いです。また、65歳の誕生日の前々日までに退職すれば、失業保険を受け取れます

ひろさんは厚生年金加入期間が30年以上あるため、特別支給の老齢厚生年金の対象者です。昭和38(1963)年生まれの女性は、63歳から特別支給の老齢厚生年金の支給開始となります。

60歳以降も厚生年金に加入して働くと、収入と年金の合計額によっては年金が一部または全額停止されます。これが在職老齢年金制度です。

基準となるのは次の2つの合計です。
・基本月額(老齢厚生年金の報酬比例部分÷12)
・総報酬月額相当額(目安としては月給+賞与の1/12)
この合計が51万円(2025年度)を超えると、老齢厚生年金が一部または全額停止されます。

ひろさんの総支給額は月51万円ほどとのことなので、63歳から請求しても多くの部分が支給停止になる可能性が高いと考えられます。ただし月51万円の基準額は、2026年度から62万円に引き上がります。

雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)は、65歳の誕生日の前々日までに退職した場合に受給可能です。一方、65歳以降に退職すると「高年齢求職者給付金」という一時金になり、受給日数が大幅に短くなります。

ただし注意点として、特別支給の老齢厚生年金をもらえる期間(ひろさん63〜65歳)、特別支給の老齢厚生年金と基本手当は同時受給できません。

年金を受け取ると、基本手当は支給停止になります。一方、65歳以降にもらう老齢年金と「高年齢求職者給付金」は併給可能です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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