ペプチドナイル(撮影:山中博喜) 本記事ではnetkeibaオリジナルAIが推奨する本命候補3頭を特筆すべき過去の傾向とともにご紹介します。
今週の重賞競走は土曜日にステイヤーズS(GII)と鳴尾記念(GIII)、日曜日にチャンピオンズカップ(GI)が行われます。その中から中京競馬場で行われるチャンピオンズCを取り上げます。まずは過去の傾向から。
過去10年のチャンピオンズCでの前走初角位置を見ていきます。過去10年のチャンピオンズCは前走初角で7番手以内の馬が8勝2着8回3着9回。単勝回収率106%、複勝回収率123%と良績を残しています。スタートからある程度の位置で運べる馬に分がある一戦と言えます。
このような傾向になっているのは、データ対象のチャンピオンズCが中京ダート1800mで行われていることが要因。中京の3コーナーの入りは緩やかで、4コーナーに近づくにつれてきつくなるスパイラルカーブが採用されています。4コーナーの角度はきつく外へ膨れやすい設計となっていますので、直線で内側に馬群が密集することを避けられます。
ただ、差し馬や追い込み馬は4コーナーで大きな距離ロスが生じることがあります。特に外目の枠に入った差し、追い込みの馬はそれが顕著になります。一方、スタートからある程度の位置につけられる馬は、距離ロスを最小限に抑えられますので、先に挙げたような高期待値になっているのでしょう。
ちなみに、過去10年のチャンピオンズCで、前走初角8番手以下の馬は2勝2着2回3着1回と5頭が馬券に絡んでいます。この5頭のうち、3頭が前走から距離延長の馬。のこる2頭は前走でGIに出走し3着以内に入っていました。距離延長の馬は追走が楽になるため、前回よりもいい位置で運べる可能性が高いです。また、前走でGIに出走し3着以内の馬については、高い地力を生かすことで結果が出ていると考えられます。
今年のチャンピオンズCでも前走の初角での位置取り、距離、レース格ならびに着順のチェックは怠らないようにしたいところです。それでは早速ですが、今週のチャンピオンズCでAIから導き出された月曜日時点での本命候補3頭をご紹介します。
◆先行力に優れた本命候補
ペプチドナイル
24年のフェブラリーS(GI)の勝ち馬で、その後もGIで善戦している本馬。今年で7歳になりましたが、2走前の南部杯(JpnI)でも3着に入っており力の衰えは感じられません。しかし、前走の武蔵野S(GIII)では直線まで絶好の手応えだったものの、追われてからの伸びを欠いて9着と大敗。レース後のジョッキーコメントでここ数戦がラストまで走り切れていないことやメンタル面を指摘していました。
この中間は馬に刺激を与えるために調整方法を変更。これまでは1週前の週末に坂路コースで強い負荷をかけられていましたが、今回はウッドコースで一杯に追われる内容を消化。しっかりと負荷をかけている点に変わりはありませんが、調教コースを変えることで馬に刺激を与えているようです。一線級相手に通用する能力はありますし、このひと追いで力を出し切れる精神状態になれば、変わり身は十分に見込めるはずです。
ナルカミ
デビューから6戦5勝で現在4連勝中と非凡な能力を示す本馬。唯一の敗戦はデビュー2戦目。このレースでは今回と同じ中京ダート1800mに出走し7着に敗れています。この結果だけを見るとコース適性に不安を感じますが、この時は返し馬からパニック状態になっていたようですし、レースでも本来の走りができていなかったとのこと。デビュー2戦目ということもあり、気が入りすぎていたのかもしれません。
この時の敗戦を生かし、その後は力を出し切って4連勝。特にここ2戦は2走前の不来方賞(JpnII)で重賞初制覇を飾ると、前走のジャパンダートクラシック(JpnI)でビッグタイトル制覇。どちらも2着以下に決定的な差をつけて快勝しており、世代トップクラスの実力を証明。今回は初めて古馬の一線級が相手になりますが、近走のパフォーマンスから能力はヒケを取らないはずですし、勝ち負けになる1頭と言えるのではないでしょうか。
シックスペンス
デビューから芝に使われ続けていた本馬ですが、前走でダートの南部杯に出走。スタートから行き脚がついて楽に先団へ。勝負所での手応えも十分で直線では一旦先頭へ立つかという場面も。最後はGI勝ち馬のウィルソンテソーロから4馬身差の2着に敗れてしまいましたが、初ダートでトップレベルの馬が相手だったことを思えば十分すぎる内容だったと言えます。
そして、今回は実績のある距離でのGI。芝では1800mで3戦3勝と負け知らずで、すべて重賞勝ちという実績。芝とダートの違いはありますが、前走の1600mから距離が延びるのは歓迎材料になるはずです。この中間も状態面は良好なようですし、力を出せる仕上がりになっている様子。前回よりもメンバーレベルは上がりますが、ここでも楽しみな存在になるのではないでしょうか。