
12月の優待銘柄の傾向(213銘柄)
12月は、3月決算企業の中間決算発表が一巡し、年末にかけて株価が上昇する傾向にある月です。今回は12月の優待銘柄をピックアップし、株価が例年軟調に推移する傾向が見られる優待銘柄をご紹介します。株価が下がりやすい銘柄を事前に把握することで、不用意に損失するリスクを回避できるでしょう。
まずは、11月末に12月末権利確定銘柄(213銘柄)を購入し、優待を得られる権利が発生する権利付き最終日の前に売却した場合の成績を見てみましょう。権利付き最終日の前に売却することでパフォーマンスを最大化できます。
■検証対象:12月の優待銘柄(計213銘柄)
■検証期間:2000年1月1日〜2025年10月31日
■1銘柄当たりの投資金額:20万円
■買い条件:11月末の営業日の寄り付きで買い
■売り条件:12月23日、24日、25日、26日のいずれかの営業日に売り
11月末に12月末権利確定銘柄(213銘柄)を購入し、12月末の権利確定前に売却した場合について検証を行います。仮に、勝率が50%以上で損益がプラスならば、12月は株価が上がりやすい月となります。反対に損益がマイナスであるならば、12月は下がりやすい月といえます。
以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。
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検証結果

勝率:48.28%
勝ち数:1,631回
負け数:1,747回
引き分け数:71回
平均損益(円):-867円
平均損益(率):-0.43%
平均利益(円):15,525円
平均利益(率):7.76%
平均損失(円):-16,206円
平均損失(率):-8.10%
合計損益(円):-2,990,305円
合計損益(率):-1,495.17%
合計利益(円):25,320,854円
合計利益(率):12,660.82%
合計損失(円):-28,311,159円
合計損失(率):-14,155.99%
PF(プロフィット・ファクター):0.894
平均保持日数:27.02日
以上が、12月の優待銘柄(213銘柄)の検証結果です。勝率は48.28%、平均損益は−0.43%となっています。勝率が50%を割り、1トレード当たりの平均損益がマイナスであることから、12月の優待銘柄は下がりやすい傾向があるといえるでしょう。
今回の検証で12月の優待銘柄(213銘柄)は、12月相場に下がりやすい傾向があることを確認できました。次は、株価が下がりやすい傾向にある12月の優待銘柄の中でも、特に株価が下がりやすい傾向にある優待銘柄をご紹介します。
12月の低成績優待ランキング

図表は、先ほどの12月の優待銘柄(213銘柄)を対象とした検証において、勝率がおよそ20%を下回る銘柄のランキングです。
<3900>クラウドワークス【勝率:10.00%】
<9704>アゴーラ ホスピタリティー グループ【勝率:10.53%】
<4344>ソースネクスト【勝率:13.33%】
これらの銘柄は、軟調に推移しやすい傾向にある12月の優待銘柄の中でも、特に軟調に推移する傾向が強いです。これらの銘柄をトレードする際は注意が必要でしょう。
簡単な検証結果でしたが、本記事で紹介した12月の優待銘柄の傾向は、投資戦略を考える上での有効な判断材料の1つになるでしょう。
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※このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社および関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします
文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー)
国内運用会社にて中小型株式ファンドマネージャー兼アナリストを経て独立。個人投資家に分かりやすく株式投資を伝授すべく、講演や執筆を行う。『夕刊フジ』3年連続 株-1グランプリ グランドチャンピオン。
(文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー))
