ホーエリート(撮影:下野雄規) 師走の中山競馬場名物、平地最長距離の3600mで争われるステイヤーズステークス。特殊なコース形態と距離からリピーターの活躍も目立つが、スタミナだけでなく、長丁場を集中して走り切る精神力が問われるタフなレースだ。今年も各路線からスタミナ自慢が集結した。
1.前走4角2-5番手の先行策に妙味あり
過去10回のデータにおいて、前走の第4コーナー通過順位が「2番手」だった馬は、勝率23.1%、複勝率30.8%に加え、単勝回収率283%という驚異的な数値を叩き出している。また「5番手」だった馬も複勝率55.6%、複勝回収率211%と非常に優秀だ。長距離戦らしく、前走で早めの競馬を試みていた馬が穴をあける傾向にあり、逆に「10番手以下」からの追い込み馬は、よほど能力が上か展開の助けがない限り苦戦を強いられている。
2.前走GII組の中でも特定の組が突出
前走がGIIだった馬の中でも、京都大賞典を経由してきた馬は[2-3-2-9]で複勝率43.8%というハイアベレージを誇る。さらに単勝回収率は142%と、ベタ買いでもプラスになる水準だ。アルゼンチン共和国杯組が複勝率22.2%、複勝回収率43%にとどまっているのと対照的で、同じGIIローテーションでも関西の長距離重賞を使ってきた組の信頼度がデータ上では上回っている。
3.若さが武器になる4歳馬に注目
馬齢別の成績を見ると、4歳馬が[2-3-2-12]で複勝率36.8%を記録しており、複勝回収率も104%と妙味十分だ。これに対し、出走数の多い5歳馬は複勝率16.3%、7歳馬は13.0%と低調な数字に終わっている。6歳馬は複勝率32.1%と健闘しているものの、回収率と好走率のバランスが良い4歳勢を中心視するのが得策と言える。
ホーエリートは前走のアルゼンチン共和国杯で6着に敗れたものの、第4コーナーを「2番手」で通過しており、単勝回収率283%の激走データに合致する。また好走傾向にある「4歳馬」でもあり、データの二重該当で期待値は高い。スタミナ勝負で改めて見直したい一頭だ。