
12月に入り、冬のボーナス支給の話題が増えてきた。懐が潤う人がいる一方で、厳しい現実に直面した人もいるようだ。
東京都の40代女性の夫はITエンジニアとしてインフラ全般を担当しており、年収は1100万円ほどあるという。しかし夫の勤務先のボーナス事情にショックを受けている。
「去年まで50万くらいだったのに、今年はまさかの0円でした」
なんと支給額がゼロになってしまったのだ。理由は会社の経営状況にあった。(文:篠原みつき)
「とても困っています。そしてもうこの会社はやばいと思いました」
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これまで支給されていたものがゼロになる衝撃は大きい。女性は次のように続ける。
「会社の赤字が5年連続続いたからだそうです。年々減ってきてはいましたが、まさかなくなるとは思っていませんでした」
5年連続赤字となれば、ボーナスの減額もやむを得ないかもしれない。しかし、まさか全額カットされるとは想定外だったようだ。
「娘の冬期講習代にとあてにしていたので、とても困っています。そしてもうこの会社はやばいと思いました」
子どもの教育費など、ボーナス払いを当てにしている家庭は多い。今後に危機感を募らせるのは無理もない。
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「これだけじゃあ生活できないよな」物価高を考慮してくれた上層部
一方で、金額はささやかでも会社の配慮に感謝している人もいる。
東京都の40代女性(事務・管理/年収350万円)は、サービス業界の企業に勤めている。今年の冬のボーナスについてこう明かす。
「本来は月給1ヶ月分で決まっていて、少額ながら査定のたびに昇給しているから賞与も上がっていく」
その結果、「昨年は25万円、今年は1万円上がって26万円」と堅調にアップしたそうだ。
劇的な増額ではないかもしれない。しかし、女性が評価しているのは金額そのものよりも経営陣の姿勢だ。
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「おまけに物価高も考慮し、上層部が『これだけじゃあ生活できないよな』と考えてくれている」
社員の生活を気にかけてくれる会社であれば、モチベーションも維持しやすいだろう。支給額や年収の多寡にかかわらず、会社への信頼感はこうした積み重ねで決まっていくのかもしれない。
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