
山形県在住の40代読者・Mさんの財布には、10枚の千円札が使われることなく、大切にしまわれている。
それはMさんが受験生だった時にある人から貰ったもので......。
受験生時代の思い出(画像はphotoACより)
<Mさんからのおたより>
東北出身のわたしは10代のとき、富山県の高専を受験しました。
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北陸新幹線も開通していないころで、入試へは東北の日本海側からの夜行列車で行き、試験後の帰路も夜行列車でした。
1人、冬の駅前で帰りの夜行列車の時間を待っているときのことです。
寒い冬、深夜の駅前で
少しでも温まろうと、自販機の前で何かを買おうとした時でした。他には誰もいないと思っていましたが、話しかけてきた中年男性がいたのです。
「どっから来たん?」
そう問われた私が「山形がらきましたー」「高専の受験さきたんで」と答えると、その人は私に何かを差し出しました。
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自販機に行ったときに...(画像はphotoACより)
「んな、遠くから来たんならこれ持ってけ」
「いいんですが?」
「あんたの将来への投資だよ。何か買いな」
そんな会話をしながら受けとったものを見ると、新品のホッカイロと千円札が10枚入っていたのです。
ひとり寂しかった富山でしたが、帰りの列車ではうれし泣きしながら山形への帰路につきました。
かれこれ20年以上経ちますが、富山と聞くといつも、この思い出が、よみがえります。
その1万円はいまだに使えず、大切にお財布にお守りとして、入っています。
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あの時のあの方へ、ありがとう。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式X(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのか、どんなことをしてしまい謝りたいのかなど、500文字程度〜)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)などを明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは読者の皆さんに投稿していただいた体験談を紹介しています。プライバシー配慮などのために体験談中の場所や固有名詞等の情報を変更している場合がありますので、あらかじめご了承ください)
