アストンマーティン・ヴァルキリー、望外の初年度に満足『ジョーカーなし』の2026年にも自信

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2025年12月02日 18:20  AUTOSPORT web

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2025年にWECとIMSAにデビューしたアストンマーティン・ヴァルキリー
 ハリー・ティンクネルは、アストンマーティン・ヴァルキリーが世界のスポーツカーレースに参戦し、予想を上回る好成績を収めた初年度を受け、アストンマーティン・レーシングとハート・オブ・レーシングチームの努力を称賛した。

 LMH(ル・マン・ハイパーカー)ベースのヴァルキリーは2025年、WEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の両シリーズにデビューし、ロス・ガン、ロマン・デ・アンジェリス、アレックス・リベラスの3名がIMSA最終戦プチ・ル・マンで表彰台を獲得するなど、重要なマイルストーンを達成した。

 WECのハイパーカークラスでは、シーズン最終戦のバーレーン8時間レースで、2台のマシンがプラクティスセッションでトップに立ち、決勝の一部でトップを走った。また、リベラスとマルコ・ソーレンセンは、富士6時間レースでシーズンベストとなる5位を獲得している。

 ティンクネルは「これほどのレースプログラムが、立ち上げからそれほど時間がかからず、レースごとに着実に進歩し、プチ・ル・マンで表彰台を獲得し、WECでも表彰台を獲得できる位置についた例を、僕は他に知らない」と語った。

「このプログラム全体でもっとも喜ばしいのは、レースごとに継続的な改善が見られることだ。通常は良いレースがあっても、その後に悪いレースがあり、そこから学び、シーズンを通して平均点が上がることを期待するものだ」

「たけど、今回は文字どおり毎レースで好成績を収めている。かなり前途有望だね」

「長期的な目標、そしてチャンピオンシップ獲得とル・マン優勝という目標を考えると、ここまで進歩していることは本当に素晴らしいことだ」

「正直言って、WECで2連続でプラクティスセッションのトップに立ち、レースでも高い競争力を発揮し、IMSAでも表彰台を獲得できるような状況になるとは思っていなかった」

「今年、このクルマで表彰台を獲得することが、僕らの究極の目標だった。それが達成できたのは素晴らしいことだ」

 2026年の目標について尋ねられると、ティンクネルはこのV12エンジン搭載マシンの継続的な改良という信念を強調した。

「結局のところ、僕らの哲学は、学び続け、進歩を続け、それがどこまで僕らを導いてくれるかを見極めることだ」とティンクネル。

「それを続ければ、自然とレースに勝て、競争力を発揮できる位置につけることができると思う」

「もちろん、最大のイベントはル・マンだ。皆、そこで速く走り、チャンスをつかみたいと思っている。今年は2台ともトラブルなく完走できたのは素晴らしい」

「おかげで、さらなるパフォーマンスを発揮し、上位進出を目指すための良い位置につけることができている」

 ガンはさらにこう付け加えた。

「謙虚さを忘れないことが大切だと思う。現実的に考えれば、僕らはパッケージを改良し続けたいだけだ。それが一番大切だと思う」

「プチ・ル・マンは僕らにとって大きなハイライトだった。だけど、毎週末同じことが起こらないのは分かっている。僕らにとってそれは、かなり予想外のことだったからね」

「あのサーキットでは、このマシンのパフォーマンスは本当に素晴らしかった。来年、あんなレースを何回か見せられれば、大きな前進になるだろう」

 一方ガンは、ヴァルキリーは少なくとも2026年シーズン序盤においては、エボ・ジョーカーによるマシンのアップグレードを行わないことで優位に立てると考えている。

 アストンマーティン、プジョー9X8、そして世界選手権を制覇したフェラーリ499Pを除くマシンは、来年に向けて主に空力面でのアップデートが実施される見込みだ。

「エボ・ジョーカーであれ何であれ、マシンに大きな変更を加えると、自らの足場を固める時期というものが必要になる」とガンは説明した。

「僕らのパッケージでは、これまでの進歩と得られた理解に、非常に満足している。僕らはこの進歩を、望む方向に進めていくだけだ」

「現実的に考えれば、来年デイトナに参戦でき、プチ・ル・マンの時と同程度のレベルで挑戦できるマシンがあれば、シーズンの素晴らしいスタートを切ることになるだろうね」

[オートスポーツweb 2025年12月02日]

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