ダンビュライトやオーソクレースも! RRCで躍動する「オールド・フレンズ・ジャパン」所属馬の秘密 12月7日(日)、東京都・JRA馬事公苑で行われる「RRC FINAL 2025」。かつてターフを駆けた競走馬が馬術競技に挑む舞台に、一般社団法人「オールド・フレンズ・ジャパン」より、障害馬術にダンビュライトとオーソクレース、馬場馬術にメイケイダイハードとケイデンスコールが参戦を予定している。全国で行われた予選で好成績を残し、ファイナル出場馬を輩出した背景について、代表理事の原田喜市さんに話を聞いた。(取材・文=netkeiba編集部)
オールド・フレンズ・ジャパンは岡山県・蒜山を拠点に、引退競走馬の引受や乗用馬のリトレーニングを行う団体。JRA重賞馬3頭とGI・2着馬という実績馬たちを、第二のキャリアでも輝かしい舞台に送りだすことができた理由には、「馬・人・環境」の3要素があった。
原田さんによると、オールド・フレンズ・ジャパンが拠点を置く蒜山ホースパークは、100頭の馬で構成。入厩後乗用馬になる場合には、まず馬のタイプに合わせてどの競技で活躍できるかを見極めているという。「入厩後、すぐにリトレーニングは始めません。まずは牧場でゆったり過ごしてもらって、馬が慣れてから時間をかけて大会へ動き出します」と、心身のリカバリーを優先していることを明かした。
競走馬生活を終え、使う筋肉や求められる動きは変われど、大会でも動じないメンタルの強さや失敗から学ぶ賢さは、各馬が持つ魅力だという。加えて、JRAで活躍できる平地力はやはり活かされているそう。「重賞を勝つ馬は本当に足が速いです。一回のストライドから生み出されるスピードが凄いので、障害馬術だとタイムはコンマ何秒かでも違ってきます」と話した。
次にオールド・フレンズ・ジャパンは“人の育成”にも力を入れている。高校や専門学校と連携し、特に若者への支援を積極的に行っている。取材当日、RRC出場コンビの練習を見せてもらうと、乗馬業界で実績のあるコーチがマンツーマンで指導を行っていた。自身も選手として活躍し、全日本馬場馬術選手権での優勝歴を持つ原田さんは「乗馬にはとてもお金がかかります。金銭的な理由で諦める若者も沢山見てきたので、この場所に来れば大丈夫という環境を作りたいんです」「馬業界の未来を考えると、ライダーの育成はとても重要な課題です」と言葉に力を込める。
最後に拠点を置く岡山県・蒜山の環境も、馬にとってプラスに作用しているという。「蒜山は名水百選に選ばれるほど、水が良くて草も沢山あります。疝痛と呼ばれる馬の命にも関わる腹痛が起きづらいんです」と話す。また、広大な敷地には練習場がいくつも設けられている。「屋内練習場では雨や雪に関係なく、いつでも練習することができます。様々な場所で大会に挑む馬にとって、色々な環境で練習できることはプラスだと思います」と話した。
懸命に取り組む馬と人、そして雄大な自然を活かしたリトレーニングを行うオールド・フレンズ・ジャパン。来たる大会は12月7日に行われる。スピードを求められる競走馬から、優雅さや勇気を試される“乗馬”として、ファンの前で再びきらめく4頭の活躍に注目したい。