フル電動モデルとなったポルシェの新型『カイエン・エレクトリック』と、その高性能版『カイエン・ターボ・エレクトリック』が日本に上陸 フル電動モデルとなったポルシェの新型『カイエン・エレクトリック』と、その高性能版『カイエン・ターボ・エレクトリック』が日本に上陸。とくに後車は最高出力850kW(1156PS)、0〜100km/h加速タイム2.5秒、最高速度260km/hという圧巻の性能を誇り、最大400kWの充電電力と最大642kmの航続距離の性能を確保し、11月20日より予約受注が開始されている。
内燃エンジンモデルとハイブリッドモデルも並行して販売される現行『カイエン』だが、今回フル電動化されたこのSUVは史上もっともパワフルなポルシェの市販モデルであると同時に、これまで以上に多用途なモデルとされている。
新しいカイエン・ファミリーとしてデビューする今回の2台は、どちらも4WDとされ電子制御ポルシェトラクションマネジメント(ePTM)が装備される。エントリーモデルでも性能面では通常作動時に最高出力300kW(408PS)、ローンチコントロールを使用すると最高出力325kW(442PS)、最大トルク835Nmを発生し、0〜100km/h加速タイムは4.8秒、最高速度は230km/hに達する。
一方のターボモデルは、ローンチコントロールを作動時に前述のパフォーマンスを有し、モータースポーツに由来する革新技術としてリヤアクスルの電気モーターを直接オイル冷却することで高い連続出力と効率を確保。通常走行モードでは最高出力630kW(857PS)が利用可能となり、プッシュ・トゥ・パス機能によりボタンを押すだけで130kW(176PS)を10秒間追加で作動させることができる。
エネルギー回生は、フォーミュラEと同レベルの最大600kWの回生出力を達成し、日常生活では機械式摩擦ブレーキが介入する必要はほとんどなく、すべてのブレーキ操作の約97%を電気モーターだけで処理することが可能に。さらにカイエン・ターボ・エレクトリックにはポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)もオプションで用意されている。
エネルギーを供給する新開発の113kWh高電圧バッテリーは、両面冷却による最適な熱管理が行われ、航続距離(複合WLTP)はカイエン・エレクトリックで最大642km、同カイエン・ターボ・エレクトリックで最大623kmに。
さらに最重要視されたという充電性能では、800V技術により390kWの直流充電が可能で、特定の条件下では最大400kWで充電可能。SoC(充電状態)は16分以内に10%から80%まで増加させることが可能となり、結果として10分以内に325km(カイエン・エレクトリック)/315km(カイエン・ターボ・エレクトリック)の航続距離のエネルギーを追加することができるという。
これに貢献するべく、セグメントではトップクラスの空力性能を備えており、空気抵抗係数は0.25に留められる。ポルシェアクティブエアロダイナミクス(PAA)システムは、走行状況や速度に応じて車の空力特性を正確に調整し、効率的な制御戦略とともにダウンフォースを増加させることでドライビングダイナミクスにも寄与する。
このアクティブエアロダイナミクスのエレメントには、ノーズの可動式冷却エアフラップ、アダプティブルーフスポイラー、ターボ後部の革新的なアクティブエアロブレードなどが含まれ、横方向のティアオフエッジを延長して流動特性を改善し、特に高速走行時の航続距離の向上を実現。その他の空力対策とし、フロントボディのエアカーテンやほぼ完全に密閉されたアンダーボディ、専用エアロホイールにリヤディフューザーなどが搭載されている。
さらに新型の多用途性の多くはシャシーによるもので、ポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)を備えたアダプティブエアサスペンションを両モデルに標準装備。さらにターボにはポルシェトルクベクトリングプラス(PTVプラス)リミテッドスリップリヤディファレンシャルも装備される。
また両モデルとも、後輪を最大5度操舵するリヤアクスルステアリングを装備することができ、カイエン・エレクトリックでは内燃エンジンモデルより55mm長く、全長は4985mmに。その差はホイールベース(3023mm)でもっとも大きく、13cm近く伸びたことで後席の足元スペースが拡大。後席には電動調整式が標準装備され、コンフォートポジションからカーゴポジションまでフレキシブルに調整することが可能となっている。
ラゲッジコンパートメントの容量は781〜1588リッターで、さらに90リッターのフロントラゲッジコンパートメントも完備。インテリアではムードモードも新たに導入され、選択したプログラムに応じてシートポジション、ライティングムード、エアコン、サウンドプロファイル、ディスプレイの外観が変化するなど、気分や状況に合わせた空間体験がもたらされる。
さらにOLEDテクノロジーを採用した14.25インチのフルデジタルメーターパネルと、14.9インチの助手席側ディスプレイ(オプション)が加わったことで、ポルシェ史上最大のディスプレイエリアが実現。同車では初めて、車両の10メートル前方に87インチのディスプレイエリアを視覚的に表示する、AR技術搭載ヘッドアップディスプレイも用意され、価格はカイエン・エレクトリックが1335万円、カイエン・ターボ・エレクトリックは2101万円(いずれも税込)となっている。
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[オートスポーツweb 2025年12月02日]