歌舞伎俳優・中村鶴松、来年2月に初代中村舞鶴襲名「私には身に余る、素敵なお名前」【コメント全文】

0

2025年12月03日 07:00  オリコンニュース

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

オリコンニュース

中村鶴松
 歌舞伎俳優の中村鶴松が2日、2026年2月歌舞伎座『猿若祭二月大歌舞伎』(2月1日初日〜26日千穐楽)で初代中村舞鶴(まいづる)を襲名し、幹部昇進することが決定した。

【写真】それぞれクールなポーズを取った中村鶴松ら歌舞伎俳優たち

 鶴松は、平成7(1995)年3月15日生まれ。3歳より児童劇団に入り、平成12(2000)年5月歌舞伎座『源氏物語』の竹麿で清水大希の名で初舞台。以後、子役として数多くの舞台に出演。平成15(2003)年8月歌舞伎座『野田版 鼠小僧』の孫さん太の演技で注目され、平成17(2005)年5月歌舞伎座で十八世中村勘三郎の部屋子となり、『菅原伝授手習鑑』車引の杉王丸で二代目中村鶴松を名乗ることとなった。平成30(2018)年2月博多座『鰯賣戀曳網』の傾城錦木ほかで名題昇進。屋号は中村屋。

 一般家庭に生まれ育ち、十八世勘三郎に見出され部屋子となると、その薫陶を受け、立役と女方に取り組み、舞踊でも成果を見せる。舞台に向かう直向な姿勢と気持ちのこもった演技で、歌舞伎座の納涼歌舞伎、平成中村座やコクーン歌舞伎を中心に着実に研鑽を積み、令和7(2025)年1月の新春浅草歌舞伎では『絵本太功記』光秀妻操と武智十次郎という女方と立役の大役を勤め、次代を担う花形の一人として注目を集める。

 令和5(2023)年5月平成中村座『天守物語』亀姫や、令和6(2024)年2月歌舞伎座の十八世中村勘三郎十三回忌追善公演『新版歌祭文 野崎村』久作娘お光という女方の大役への抜擢にも応え、華やかさをまとう姫から可憐な娘を初々しく勤める一方、令和6(2024)年11月明治座『菅原伝授手習鑑 車引』舎人桜丸、令和7(2025)年2月歌舞伎座『人情噺文七元結』手代文七という古典と世話の立役もきっちりと勤め上げ、存在感を示した。

 新作歌舞伎でも芝居巧者の片鱗を見せ、令和元(2019)年6月歌舞伎座『月光露針路日本 風雲児たち』に引き続き、令和7(2025)年11月歌舞伎座『歌舞伎絶対続魂(ショウ・マスト・ゴー・オン) 幕を閉めるな』で三谷幸喜作・演出の「三谷かぶき」に連続出演するなど、役の幅を広げる。

 令和4(2022)年からは自主公演「鶴明(かくめい)会」を開催し、第一回公演には『高坏』と『春興鏡獅子』という舞踊二題に挑み好評を博すと、令和7(2025)年の第二回公演には『仮名手本忠臣蔵 五・六段目』と十八世勘三郎から当代勘九郎に受け継がれた舞踊『雨乞狐』を上演し、さらなる飛躍に期待を寄せられている。

 平成25(2013)年に早稲田大学文学部文学科演劇映像コースに進学。舞台活動を続けながら大学で演劇を学び、平成29(2017)年に卒業した。このたび、十七世中村勘三郎を中心に始まった『猿若祭』という、中村屋が大切にしている公演で、初代中村舞鶴を襲名し、幹部昇進する。初代として名乗る「舞鶴(まいづる)」の名は、十七世勘三郎の俳名「舞鶴(ぶかく)」にちなむ。

■中村鶴松コメント全文
この度、二十年間名乗って参りました中村鶴松という名を改め、初代中村舞鶴として披露させて頂く運びと相成りました。
鶴松という名は、師匠である勘三郎の父に名付けて頂き、皆様にも「鶴松」「つる」「鶴ちゃん」と温かくお呼びいただき、有難くも長年可愛がって頂きました私にとりまして大変愛着のある大切な名前でございます。
その名を改めますことは、自分の中では誠に大きな変化であると感じております。
この度頂戴いたしました中村舞鶴という新たな名前は勘九郎、七之助の兄たちが心を込めて考えてくださいました、私には身に余る、素敵なお名前でございます。
一人でも多くのお客様に新しい名前を覚えて頂き、これまでと変わらぬご声援を賜れましたら、この上ない喜びに存じます。
この名を新たな一歩と致しまして、これからも一層藝道精進して参る所存で御座います。
何卒これまで同様、変わらぬご厚情を賜りますと共に、今後とも厳しいご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
この「猿若祭二月大歌舞伎」は、私にとりまして何よりも大きな興行で御座います。
初めて歌舞伎座で主役を勤めさせていただきました『新版歌祭文 野崎村』のお光、そして今年の『人情噺文七元結』の文七など、多くの思い出が御座いますこの興行で、新しい名前を襲名させて頂けますこと、この上ない喜びでございます。
名だたる先輩方のお力添えを賜りつつ襲名させていただけますことに深く感謝申し上げると共に、微力ではございますが、少しでもこの興行が素晴らしい舞台となりますよう、心を込めて勤めさせていただきます。
何卒ご来場の上、末永く御贔屓お引き立てのほど、重ねてお願い申し上げます。

    ニュース設定