同店は、地上1〜4階の4層の作り。1階のエントランスからつながるスペース「ステージ(Stage)」では、ニューバランスがその時々で注力するアイテムやコレクションに光を当てる。ポップアップスペースや、スポーツやカルチャーイベントの拠点としても機能する。オープン時には、ライフスタイルアパレルのコレクション「NB GREY」を中心にラインナップ。また、12月にオンライン限定で発売予定のメイドインジャパンモデル「1300JP」と「U576JP Made in Japan」の試し履き用シューズを用意する。U576JPは、ニューバランスとグローバルパートナーシップを結ぶ兵庫の工房「ミムラボ(M.Lab)」の工房で職人の手によって製作された新作で、12月19日に発売。1300JPは、5月にオンライン限定で販売し即完となったモデル。発売日や販売方法については、ニューバランスの公式アプリなどで追ってアナウンスする。
4階は、「メイドインUSA(Made in USA)」のシューズとアパレル、「メイドインUK(Made in UK)」のシューズのフロア。ウッド調の壁面や什器などで、重厚でクラシカルなムードを演出する。シューズ工場で実際に使用している工具や備品、1300や991、576といった定番スニーカーのパーツを展示し、クラフトマンシップが感じられるエリアとなっている。
同店には、新たなスタッフとして「フラッグシップコミュニケーター(Flagship Communicator)」が在籍し、顧客の商品選びをサポートするコンシェルジュ的な役割を担うという。コミュニケーターは1階と4階に1人ずつ配属され、専用のエプロンを着用して店頭に立つ。また、リニューアルオープンを記念し、オープン当日の12月5日には、ニューバランスの直営店舗で経験を積んだストアスタッフの精鋭6人「スーパーチーム 6(Super Team 6)」が集結。銀座や名古屋、心斎橋、堀江といった店舗で勤務する6人が同日限定で接客を行う。
◆今後の成長の鍵はアパレルカテゴリーの強化 リニューアルオープンに伴い、ニューバランスでグローバルマーケティングのバイスプレジデント(VP)を務めるジェフ・マクアダムス氏が来日した。原宿店のオープンからの10年間を振り返り、「この10年でニューバランスは大きく成長した一方で、『クラフトマンシップ』『イノベーション』『オーセンティシティ』といったコアバリューは変わっていません。変わらない価値観の上で、大谷翔平選手のように世界で活躍するアスリートへのパートナーシップといった投資ができるようになったのは大きな進化です」とコメント。現状、旗艦店はボストン、ロンドン、原宿の3箇所のみであり、拡大する予定はないという。ただし、「世界137の国・地域に3600店舗を構える直営店は、インディペンデントな企業である我々独自のペースで今後も増やしていきたい。原宿店がグローバルで小売店の指針となり、幅広い国や地域でどのような商品展開をするかのガイド役になります」と話した。
ニューバランスは過去4年間、毎年約20%のペースで売り上げを伸ばしていると報道されている。マクアダムスVPは今後の更なる成長に向けた強化分野として、マーケティングにおいては「アパレルカテゴリーの強化」と「各種競技連盟などとの連携強化」、「アスリートとのパートナーシップ」の3つを提示。「我々の原点はフットウェアですが、今後は『フットウェア&アパレル』のブランドになりたい。製品開発やデザイン、市場調査に大幅な投資をしており、企業全体としてアパレルを成長させることは、我々の目標の1つです」と続ける。
競技カテゴリーとしては、すでに認知度の高いランニングに加えて、「サッカー、バスケットボール、テニス、野球」の4つに注力するとコメント。アスリートとのパートナーシップでは「金銭的価値だけではないものを提供したいと考えており、例えば大谷翔平選手は、自身のストーリーテリングや商品企画にも深く関わっています。これこそが単なるスポンサーシップではない、我々の“パートナーシップ”のあり方です」と話した。