
糞害や悪臭、騒音など、鳥をめぐるトラブルは厄介なものです。一方、鳥獣保護の観点から、鳥たちとうまく付き合っていくことも重要です。
今回は鳥よけグッズについて、筆者自身がもし購入するなら、どのような視点からどのような製品を選ぶのかを考えてみたいと思います。
●ガーデンオーナメント、鳥よけスプレー、超音波撃退器など……さまざまな選択肢がある
筆者の自宅は幸い、まだ鳥の被害にはあっていません。しかし、近所ではハトをよく見かけるので、安心はできないという状況です。もし鳥よけグッズを入手するのであれば、まずは猛禽類の「ガーデンオーナメント」が良いのではないかと考えています。
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ガーデンオーナメントは、庭に飾る置物やオブジェ、彫刻や鉢など、一般には装飾のためにガーデン内に置かれる工作物です。しかしそれだけではなく、タカやフクロウなど、猛禽類のオーナメントは鳥よけの効果も期待できます。それならば、景観を損ねることなく、鳥対策ができそうです。
20年以上にわたりヨーロッパの人々に愛され続けてきたブランド「ウービア」のガーデンオーナメントは大変かわいらしく、鮮明な色使いも秀逸です。
鳥が近づくようなら、「鳥よけスプレー」を考えています。鳥よけスプレーは、鳥が嫌がる特殊なにおいや辛み成分が配合されており、スプレーするだけで鳥を傷つけることなく追い払う効果があります。気になったときに、その都度使用できるので、殺虫剤のような感覚で使えそうです。特にハトには、一度「危険な場所」と学習した場所には仲間も近寄らなくなるという習性があるので、持続的な効果も期待できます。
その他に景観への影響が少なそうなものとしては、超音波撃退器があります。超音波撃退器は、鳥には聞こえるが人には聞こえない波長の音をスピーカーから発し、鳥の接近を防ぐというもの。小さなサイズのものを選べば、気軽に設置できるでしょう。
もし、鳥が居付いてしまい被害が深刻であれば、スパイクタイプの鳥よけグッズの設置も考えなければなりません。鳥よけスパイクは、ベランダの手すりやベランダの室外機などに取り付けて、鳥の着地を妨害するものです。高い効果が期待できる一方、景観を損ねるというデメリットもあるので、最後の手段としたいところです。
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●天然成分で作られた鳥よけスプレー
においや成分で対象生物が近寄らないようにするために使う「忌避剤」には、固形、粒状、ジェル、スプレーなどさまざまなタイプがありますが、最も手軽なのがスプレータイプではないでしょうか。固形やジェルなどのタイプは固定して設置しなければならないので、どうしても景観を損ねそうです。
消防用設備などを扱うニッショウ機器の「鳥よけスプレー」は、鳥類の知覚神経・感覚神経を刺激する忌避剤で、天然成分を調合して製造されており、殺傷することなく鳥類を排除できます。
使用方法は、鳥が止まる場所や樹木にたっぷりスプレーするだけ。忌避効果が薄れてきたときは、再度スプレーします。仕様目安は、構造物に対しては1平方mあたり50ml。樹木(直径30cmほど)の場合は270mlタイプを1本使用します。
ショッピングサイトでの実売価格は、270mlタイプが2000円前後から。たっぷり使える500mlタイプは4000円台半ばからとなっています。ニッショウ機器からは、このスプレータイプのほか、ジェル型、シート型、プレート型、カプセル型、ネット型など、幅広く鳥対策製品がラインアップされています。
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●さまざまな害獣に対応する害獣撃退装置
電化製品が好きな筆者が気になっているのが、害獣撃退装置です。Amazonで探してみると、国内ブランドの製品を見つけるのはなかなか困難でしたが、ようやく見つけ出したのが、こちらの「通せんぼくん NEO」です。
通せんぼくん NEOは、LED関連製品を扱う、大阪のメーカー富士倉製の製品。赤外線センサーで害獣を感知し、威嚇音・超音波・LEDフラッシュ点灯のトリプル効果で撃退します。カラスやハトのほか、イノシシ、シカ、ハクビシン、アライグマ、猫、犬、ヒヨドリ、ムクドリ、熊、キツネ、タヌキ、コウモリ、ヌートリアなどの撃退に効果があるとされています。
電源にはソーラーパネルとリチウムイオンバッテリーを使用。1回の充電で約2週間動作します。ソーラーパネルとの相乗効果により、バッテリー交換をする手間が省けるので、日当たりの良い場所であれば、約1年間交換不要です。
効果音は5種類から選択可能で、超音波は13.5KHz〜45.5KHzで調整できます。ショッピングサイトでの実売価格は4000円台後半から。上位モデルの「通せんぼくん FJK-192」、下位モデルの「通せんぼくんミニ FJK-193」も用意されているので、予算や設置場所に応じて選べます。
●「日本鳩対策センター」によるスパイクタイプの鳥よけ
最後に、スパイクタイプの鳥よけグッズをチェックしましょう。「ピーコンスパイクVST」は、東京の日本鳩対策センターの防鳥剣山です。防鳥ネットなどが設置できないような狭いところや、後述する“被害レベル1〜3”の鳥害対策に適しています。飛来を防ぎたい場所に設置し、ハトやカラスなど比較的、大きな鳥類が止まるのを阻止します。
日本鳩対策センターは、ハトによる被害をレベル1〜4に区分しています(参考:鳩の被害レベル | 鳥害対策なら日本鳩対策センター)。レベル1の被害は、短時間の滞在で軽微な被害、レベル2は餌を待つ場所として定着し始め、被害が少しずつ増えている状況。レベル3では夕方から夜間にかけて長時間滞在し、大量の糞など大きな被害が生じている状況です。そしてレベル4では巣作りがなされ、繁殖が始まり、帰巣本能が強まる状況で、個人での対策は困難になります。
このピーコンスパイクVSTは、先述の通り被害レベル1〜3に適した鳥対策です。
剣山と土台部分はステンレス製となっており、紫外線や外的要因によってさびる心配がなく、経年劣化しにくい素材です。特殊な環境を除けば長期間、安心して使用を続けられます。
一般的にスパイクタイプの製品は、設置のために固定する必要があります。固定には接着剤や両面テープ、釘などを使用しますが、設置場所を損傷させたくない場合には、結束バンドなどを使って設置したいところです。
ピーコンスパイクVSTの、ショッピングサイトでの実売価格は1000円台前半からとなっています。設置スペースに合わせて複数購入すると良さそうです。

