
1億円プレーヤーの仲間入りだ。ソフトバンク柳町達外野手(28)が3日、福岡市内の球団事務所で2度目の契約交渉に臨み、倍増を超える6800万円増の年俸1億1000万円でサインした。6年目の今季は2軍スタートだったがチームの故障禍で1軍昇格すると大ブレーク。リーグ2位の打率2割9分2厘、最高出塁率(3割8分4厘)&ベストナイン、交流戦でもMVPに輝くなど、リーグ連覇と日本一に貢献した。「息子とかに自慢できる1年だった」と胸を張った。
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開幕は2年連続2軍だった。柳町は春先の自分に思いを巡らせて述懐した。「1億円プレーヤーになるとは、まったく予想していなかったです。2軍からどうやってはい上がろうかと思っていたので、想像できてないですね」。ロッテとの開幕3連戦で、近藤が腰痛で離脱。小久保監督から声がかかって、6年目のサクセスロードが広がった。
今季は131試合に出場。打率はリーグ2位の2割9分2厘。先輩牧原大と最後まで首位打者争いを演じた。リーティングヒッターのタイトルは手にできなかったが、6月の交流戦は打率3割9分7厘で首位打者に輝きMVP。シーズンでも最高出塁率賞とベストナインに輝いた。
好調の起点となったのは4月23日の本拠地ドームでのオリックス戦。7番右翼で先発出場。第1打席で左腕曽谷から右翼へソロ本塁打を放った。「ターニングポイントだった。あのホームランがなかったら、タイトルやベストナインにも選ばれていない。あのホームランのおかげですべてうまくいった」。9試合ぶりのスタメン出場。苦手の左腕克服、さらに右方向への強い打球…。うれしい今季1号は柳町に大きな自信も運んできた。
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2度目の契約交渉で笑顔のサイン。保留の理由は「交渉を1回で済ますのはどうかなと」。初回も1億円超えだったが、持ち帰って夫人とともに気持ちを整理。契約交渉という年1度の球団との直接対話を大事にしたかった。「(契約交渉は)プロ野球選手の醍醐味(だいごみ)なので」。
球界を見渡せば、年俸1億円超の選手は珍しくなくなった。それでも19年ドラフト5位で入団した慶応ボーイにとって大きな目標だった。「1億円プレーヤーといえば、やっぱりプロ野球選手の夢。息子とかに自慢できる1年だったかな」。大金を手にすれば義務も比例する。来季はさらなる活躍を誓う。「来年は打率3割と2桁本塁打を目標にしたい」。近藤、柳田、周東と鉄壁ともいえるホークス外野陣。柳町はさらに打撃に磨きをかけ、宣戦布告する。【佐竹英治】
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