
日本ハム清宮幸太郎内野手(26)が4日、エスコンフィールドで契約更改交渉に臨み、来季9年目で初の大台到達となる5000万円増の1億3000万円でサインした。今季はチーム最多138試合に出場し打率2割7分2厘、12本塁打、キャリアハイの65打点。安打数も143安打でリーグ2位の成績を残した。30本塁打、OPS(出塁率+長打率)・900と高い目標を掲げた新選手会長が、10年ぶりの優勝、日本一へのけん引役になる。
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清宮幸が母幸世さんのバースデーに花を添えた。ようやくたどりついた1億円。「今日、母親の誕生日なので。いい日に契約更改できたなと思うんですけど。すでにプレゼントは買ってあるので。そこにちょっと使いたいですね」。高卒9年目での到達には「やっとかっていう。まあ、遅かったなというところですかね。ただ、それが僕の人生で、僕の道なんで。情けないな、とかもないし、まだまだここから」。今オフ、メジャーへのポスティング移籍を狙う前ヤクルト村上と同学年。腐らず、地道にコツコツ歩んできた。
来季は、巨人にFA移籍した松本剛に代わり新選手会長に就任する。「アマチュアとは大きく違う。チームですけど、個々も強いプロ野球は、プレーで示してなんぼ」。背中で引っ張るための指標は明確だ。「今年モーレ(レイエス)が(本塁打を)32本打ったので僕も30本打てれば確実に勝てる試合は増える。選球眼と長打力が僕の課題なのでOPS・900ぐらい行きたい」。名実ともリーダーになる自身がしっかり稼働すれば、10年ぶりの優勝は確実に近づく。
結果を出すため、オフは食事の面で“プチてこ入れ”。外食は「めっちゃ控えてます。続くとおかしなことになっちゃう」と、自宅で主に鶏胸肉を「いつもせいろ蒸し。簡単なんで」。狙いは「タンパク質をいっぱい取ろうとすると、付随して脂肪がついてきたりとかするじゃないですか」。それをセーブするのが狙いで、同じメニューは飽きるため豚ヒレや魚などバリエーションもつけ「体つきはちょっと変わってきたかな」。試合がないオフの間、しっかり食べながら、既に約1キロ、絞り込んだ。
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1月には“アニキ”の元でエネルギーを充電する。3年連続でソフトバンク柳田と合同自主トレの予定。「僕は柳田さんという人が好き。他の人にはないエネルギーを持っているので。それを吸収しに行きます」。昨年は柳田のいるソフトバンクにあと1歩及ばず「力不足をすごく感じてます。手も足も出ないような勝ち方をしないといけない」。圧倒的な強さでタイトルを奪い返し、恩返しを果たす。【永野高輔】
◆清宮の歩み
★1年目(18年) 1月の合同自主トレで右手母指基節骨骨挫傷、オープン戦期間中の3月には限局性腹膜炎で緊急入院するなど苦難のスタート。それでも5月2日楽天戦でデビューし、同月9日オリックス戦でディクソンからプロ初本塁打
★2年目(19年) 3月3日DeNAとのオープン戦で右有鈎(ゆうこう)骨を骨折し、同5日に除去手術を受ける。5月末に1軍に上がると、同30日ロッテ戦で放ったこの年1号アーチが、球団通算8000号の記念弾。オフには右ひじの手術を受ける
★3年目(20年) 新型コロナ禍で開幕が6月までずれ込んだこの年に、初めて開幕1軍入り。8月24日楽天戦では初の1試合4打点と活躍するなど、初めて離脱することなくシーズンを終えた
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★4年目(21年) キャンプ、オープン戦は1軍同行も、開幕直前に2軍に落ち、1度も昇格がないままシーズンを終えた。イースタン・リーグでは19本塁打を放ちタイトルを獲得
★5年目(22年) 前年11月に就任した新庄監督から「ちょっとデブじゃね?」と減量司令を受けてダイエット。5月5日の楽天戦で初の2打席連続アーチ。7月7日ロッテ戦で初の2桁本塁打に到達。球宴にはプラスワン投票で初出場し、第1戦でサヨナラ本塁打を放ちMVPを獲得。9月27日ロッテ戦では初のグランドスラムを含む4安打6打点。自身初の規定打席に達した
★6年目(23年) 初めて開幕スタメン出場。2戦目には自身初のサヨナラ打を放ち、球団の本拠地エスコンフィールド初勝利に貢献。4月末に左脇腹を痛めて離脱したが、6月に復帰。7月2日オリックス戦ではエスコン1号を放った
★7年目(24年) 沖縄先乗り自主トレ中に左足を捻挫し、開幕に出遅れる。4月に1度昇格するが、不振ですぐに抹消。だが6月に2度目の昇格を果たすと、7月9日西武戦でこの年1号。ここから62試合15発と打線をけん引し、チームの6年ぶりCS進出に貢献。規定打席未達ながら打率3割をマークした。初めて出場したCSでは、ファーストSの勝ち抜けを決めると、お立ち台で涙を流し「この大好きなファンの皆さんと、チームのみんなと、まだ野球ができるって思うと本当、幸せだなと思います。一生僕たちについてきてください!」
★8年目(25年) 3月28日西武との開幕戦で今井から1号アーチ。球宴にはファン投票、選手間投票のダブル選出で出場し、第2戦でMVPを獲得。ホームランダービーは決勝まで進んだが、DeNA牧に敗れた。終盤は楽天村林と最多安打のタイトルを争ったが、わずか1本届かなかった
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