施設医師「死亡の兆候なく驚いた」=ウィシュマさん入管死―名古屋地裁
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2025年12月04日 19:01 時事通信社

名古屋出入国在留管理局の収容施設で2021年、スリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が死亡し、遺族が国に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が4日、名古屋地裁(大竹敬人裁判長)であった。診察した施設の非常勤内科医が被告側証人として出廷し、「亡くなる兆候はなく、死亡したと聞いて驚いた」と述べた。
ウィシュマさんは収容後の21年1月から食べ物を吐くなど体調不良を訴え、同3月に死亡。医師は施設内で4回診察し、消化器系や精神疾患を疑い外部医療機関の受診を指示しており、意見書で「不合理な判断ではなかった」としていた。
被告側代理人の質問に、医師はウィシュマさんについて「飢餓状態かは分からないが、糖質が足りない状態だった」とし、栄養の経口摂取を優先したと説明。点滴の必要性については「施設に設備がなく、私に権限はなかった。経口摂取できる場合は行わない」と述べた。
4回目の診察でも変わった様子はなかったとしたが、その約2週間後に死亡したことには「最後に診た時は亡くなる兆候はなかったので大変驚いた」と語った。
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