金融経済懇談会で発言する日本銀行の植田和男総裁=1日、名古屋市中区(代表撮影) 4日の東京債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが1.935%に上昇(債券価格は下落)した。2007年7月以来、約18年半ぶりの高水準。日銀が今後、断続的に利上げするとの見方が広がったほか、高市政権の歳出拡大による財政悪化懸念から、債券を売る動きが続いた。
日銀の植田和男総裁が1日、今月18、19日に予定される次回の金融政策決定会合で利上げの是非を判断すると表明して以来、同会合で利上げが決定されるとの観測が市場で強まっている。
さらに、植田氏は1日の記者会見で現在の金利水準について、景気を熱しも冷ましもしない「中立金利」と比較し、「基本的には中立金利より低い」との見解を示した。これを受け、「日銀が今月だけでなく、来年以降も政策金利を引き上げるとの思惑が市場で広がっている」(国内証券)という。