
阪神が最新鋭のバーチャルマシン「トラジェクトアーク」を導入することが4日、分かった。球速や球筋、変化や回転数などどんな投手の球も再現でき、ドジャース大谷も愛用する超ハイテクマシンだ。NPBではソフトバンクや楽天などが導入済みで、交流戦や日本シリーズなどで打たれた体験をもとにナインが要望。2億円をかけて甲子園、SGLの2カ所に設置する。森下、佐藤輝、大山ら最強主軸陣が技術を磨き、球団初のリーグ連覇に突き進む。
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最新鋭の打撃マシンが来春、甲子園とSGLに降臨する。相手投手のデータをインプットすれば、球速、球筋、回転数、変化など再現してくれるバーチャルマシン、「トラジェクトアーク」だ。ドジャース大谷も愛用し、本塁打&盗塁の50−50達成や、ワールドシリーズ連覇をサポートした優れもの。竹内孝行球団副本部長は「来年の春、甲子園と尼崎に1台ずつ入れる予定です。マシンのことは藤川監督とも話をしていて、優勝することもできたので、大きいのをいこうかと」と導入経緯を説明した。
きっかけは導入済みのチームに浴びた痛打だった。今季の交流戦では、楽天に3連敗するなど今季最長の7連敗を喫した。ソフトバンクにも1勝2敗。「トラジェクトアークを使っていたらしい」と声が上がった。ソフトバンクとの日本シリーズも初戦こそ勝ったが、第2戦以降は攻略され、まさかの4連敗で終戦。現場からも新兵器を導入してほしいという要望が起こった。
SGLには今春、キナトラックス社製の動作解析装置「マーカーレス・モーション・キャプチャー」を12球団最速で導入したが、来春から甲子園にも追加で1台導入することも決めた。竹内副本部長は「メジャーではほとんど入れている。甲子園だと1軍選手のデータが取れる。ファームの選手との違いとか、ファームから1軍に来た時にどう変わっているかとか、何が良くなったかとか。1軍選手のいいとき、悪いときの比較もより精緻にできる」と期待。最新機器導入に伴い、データ解析などに精通したアナリストの増員も進めている。
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今季の阪神はリーグ戦で12球団最多の296万人を動員。独走優勝の特需に沸き、来季年俸が1億円を超える選手もNPB史上最多の17人になる見込みとなっている。粟井一夫球団社長も「チームが勝つために必要なものに対して、投資は惜しまない」ときっぱり。球団初リーグ連覇へ環境整備も進めていく。
◆トラジェクトアーク 実在する投手の球筋や回転率、変化量などを忠実に再現できる打撃練習用マシン。MLBでは大半の球団が導入済み、ドジャース大谷もエンゼルス時代から愛用する。NPBでは楽天が12球団最速で導入し、ソフトバンク、巨人が導入。契約球団は今後も増える見込み。ソフトバンクは2軍施設にも設置している。
◆マーカーレス・モーション・キャプチャー キナトラックス社製で、体にマーカーなど何も装着せず、普通にプレーするだけで詳細に肉体の動きを解析できる動作解析機器。メジャーでは広く普及していて、日本の球場で今季から開場した阪神の2軍施設SGLに初めて設置された。投手用、打者用に8台ずつのカメラを設置。骨の動きなどが立体的に可視化、数値化され、フォーム改善や故障予防に生かせる。
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