長くても短くてもダメ? 脳の若さを左右する『睡眠時間の正解』は何時間なのか

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2025年12月05日 08:20  マイナビニュース

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道でつまずいたり、動作が遅くなったと感じることはありませんか? 実はそれ、筋力の低下だけでなく「脳の老化」が原因です。この記事では、脳の老化について研究してきた遠藤英俊氏が人生100年時代を元気に楽しむための方法を解説した『こうして脳は老いていく』(著者: 遠藤英俊/アスコム)から一部を抜粋して紹介します。



今回のテーマは『毎日の睡眠は目標7時間』。

○毎日の睡眠は目標7時間



あなたは毎日何時間くらい睡眠をとると脳にいいと思いますか?



結論から申し上げると、7時間程度。



脳の健康を保ち、認知症のリスクを下げるには、短すぎても長すぎてもよくないといわれています。



脳は、私たちが寝ている間も忙しく働いています。



寝ているときの主な作業は、記憶の整理と定着、脳にたまった老廃物(ゴミ)の掃除、神経細胞やシナプスの修復、そして前頭前野と扁桃体のバランスを整えて感情をコントロールすることです。



睡眠が短すぎると、こうした作業が十分に行えないということです。



逆に長すぎると昼間の活動時間が短くなるため、脳への刺激が少なくなります。また、長時間睡眠は生活リズムの乱れにつながり、睡眠の質を下げることもあります。



科学的な研究でも、睡眠時間と脳の健康の関係がはっきり示されています。



例えば、フランスの研究では、50〜60代で睡眠時間が6時間未満の人は、7時間寝る人に比べて認知症のリスクが約30%高まることがわかりました。



一方、中国の研究では、9時間以上寝る高齢者は、7〜8時間寝る人に比べて認知症リスクが1.5倍になるという結果も出ています。



日本でも、福岡県の久山町で行われた研究で、5時間未満の睡眠はアルツハイマー病のリスクを約2倍にすることがわかっています。



年を取ると、睡眠が浅くなりやすく、途中で目が覚めたり、早朝に起きたりしやすくなります。これも老化現象のひとつです。誰にでも起きることなので、過度に悩まなくてもいいのですが、予備脳を強化するためにはできるだけ7時間の睡眠をとるように心がけましょう。



どうしても途中で起きるようなら、合計でいいので7時間を目指しましょう。そのためには、若い頃よりも意識して寝る準備を整える必要があります。



ポイントは、次の4つ。

○(1)規則正しい生活を心がける



毎日同じ時間に起きて、同じ時間に寝るようにすること。そして、朝起きたら日光を浴びることです。朝の光には、夜の眠気を自然に引き出す作用があります。

○(2)適度な運動を日課にする



散歩や軽い体操でいいので、日中に体を動かすようにしましょう。適度に疲労感があると、「体を休めたい」と感じやすくなるため、寝つきがよくなります。

○(3)夕食は就寝の2〜3時間前にすませる



食べたものを消化するのに2〜3時間くらいかかります。寝る直前に食べると、体が「消化モード」のため、なかなか寝つけなくなります。覚醒作用があるカフェインが含まれる飲み物も、寝る直前は控えるようにしましょう。

○(4)寝る直前までスマホやテレビを見ない



スマホやテレビの画面から出るブルーライトは、眠気を誘うホルモン(メラトニン)の分泌を妨げます。



「寝なきゃいけない」と思うと、逆に眠れなくなるものです。眠れなくても焦らないでください。30分以上眠れないときは、一度寝床から出て読書や深呼吸などでリラックスすると、眠気が出てきます。


○『こうして脳は老いていく』(著者: 遠藤英俊/アスコム)


人生100年時代を楽しく過ごすためには、脳の衰えた機能をカバーしてくれる「予備脳」を強くする必要があります。この予備脳を強くすれば、認知症だけでなく、寝たきりも予防できるのです。そして、予備脳は90歳を過ぎても強くできます。本書では「今日からすぐ始められる、脳を刺激する工夫」「予備脳を強くするトレーニング」「脳を老化から守る食事や食品」を紹介しています。()

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