憧れの「早朝カフェでパソコン仕事」…40歳で初体験してみたら全然はかどらなかったワケ

　2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ！』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん（40歳・以前は小林悠として活動）。

　TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。
　第62回となる今回は、最近挑戦した「朝活」について報告します（以下、アンヌさんの寄稿です）。

◆40歳。人生一度切りだから、やりたいことは我慢しない

　今年ものこりわずか。

　今年40歳を迎え、なんだか毎日が楽しい私。もしかしたらこれまでの人生の中でこの40歳という節目を迎えた今年が一番公私ともに充実し、自信をもって「今が一番幸せ！」といえた年だったかもしれません。

　というのも年齢、経験を重ねたことで「自分がやりたいと思うことを我慢することほどアホらしいことはない」ということを悟れたから。人生一度きり。別に誰にもひどい迷惑をかけないんだったらなんだってやってみたらいいんじゃない？ ということをモットーに最近は生きております。

　今の私がやりたいな、いやむしろやるべき、と思っていたのは「朝活」。

　大型犬と暮らしている関係で比較的朝早めに起きている自覚はありますが、しかし仕事が休みの日はとんでもなくタラタラ過ごしてしまっているんですよねやはり。いつまでもスマホをいじっていて、PC作業にとりかかるまで、まあまあ時間がかかる！

　朝から動いて素敵なカフェに行き、そこで原稿の執筆などしてしまえば、まる一日有効に使えるのでは?! むしろ朝のカフェってどんな感じなんだろうとずっと気になっていたのです。

◆朝6時に起床。朝活チャレンジしてみた

　ということで、年が明けないうちに、善は急げとばかりに早速「朝活チャレンジ」やってみましたよ。

　朝6時に起床し、愛犬の散歩を7時台に済ませ、愛犬を親に預けて、一路地下鉄駅へ。満員電車の圧に閉口はしたものの、目当ての店舗がある最寄り駅についたのがこの時点で8時半。自分優秀過ぎない？

　さあこれまであこがれていたカフェでの朝活ができるぞと意気揚々と某有名コーヒーチェーンへ。

　札幌市内の街中にある店舗。朝7時からやっているとのことですが、到着したころはまだまだガラガラ。広々と、そしてすっきりとした店内。清浄とした空気感にまず感動！ 朝早くのカフェってこんなに気持ち良いのね！ いつもは人がいすぎて空席を探すのに苦労するくらいなのに……。

　どこでも座れる自由って素敵！

　カプチーノのトールサイズを注文したところ、カウンターのお姉さんが「今日はミルクのふわふわがとても上手にできました♪」ととても愛想よく私に話しかけてくるではありませんか!? なになにこの朝ならではの「通」な雰囲気!? 私、常連認定されてる!? 来るの初めてだけど……いいじゃない、いいじゃない！

◆なんかお腹が……

　訳知り顔でソファ席を陣取り、ノートPCをひろげ、ご満悦の私。さあまずはインターネット環境をととのえて……と思ったら、え、ここのカフェってフリーWi-Fiってあるんだっけ!? とまずはそこでつまずきました。仕方あるまいと一度広げたPCをケースに戻し、リュックに入れ直し、再びカウンターへ。

　そちらでWi-Fiのパスワードなどを教えていただき、一安心でまた席にもどり、さあ！ いざ作業をと思いきや……む、せっかくだからこの時間にインスタグラムの更新を先にやってしまおう、時間たっぷりあるし！ とよせばいいのにスマホをチェック。

　すると……まだお返事できていないラインがいくつかあることに気づいちゃうんですよね。はい。そこでポチポチ。（ポチポチという擬音語はスマホにはそぐわないとは思いますが、気持ちとしてはポチポチ）

　さあ、といくつか写真を選択し、キャプション書いて……とやっているうちに、え!? おかしくない!? あっという間に20分が経過。

　時間の進み具合がだいぶおかしい。長々と触りたくなるスマホをリュックの中にしまい、さあ、原稿を今度こそは書くぞとおもいきや……えっここにきてちょっとなんかお腹がゴロゴロしてきた気がする。

　そうですよ。6時に起床し、ゴールデンレトリバーのお散歩を済ませ、満員電車にゆられて真冬にも関わらず大汗をかき、すきっ腹の状態でカフェでたっぷりのカプチーノを飲めば……そりゃおなかも活発になるに違いない。

　いつもと違うことをしている事に、私の体は正直に反応してしまっているのです。

◆PCを置いて立ってもいい？

　ここは日本、PCを置いたまま立ち上がっても大丈夫かな……なんて一瞬頭をよぎりましたが、いやいや、だめだめそんな危険なことはできない。……ということは、またケースに入れて、リュックにしまって、またテーブルを立ってお手洗いに行かなくちゃならないってことですよね……。

　当たり前ですが、めんどくさすぎる。ということで泣く泣くまた私は荷物もろとも立ち上がり移動。何回これ繰り返してるの!? 初めての朝活、なかなか手ごわいということが判明。

　原稿にかんしては正直、いうほど進んだわけではありませんでした。が、40ともなると「新しい経験」というのがどんどん減ってくるもの。うまくいくいかないは別として、とんでもなくワクワクしたのは確か。

　なんでもいいから新しいことに挑戦してみたい、でもそれがなんなんのか自分でもピンとこない、というにはカフェでの朝活、おすすめかも。

　ただ、PCを持っていくとお手洗いに立つときエラく困るからそれだけ気を付けて……！

＜文／アンヌ遙香＞

【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー（小林悠名義）1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram： @aromatherapyanne