ヴェルサーチェでは、ドナテラ・ヴェルサーチェ(Donatella Versace)が創業デザイナーであった兄のジャンニ・ヴェルサーチェ(Gianni Versace)の死後1998年にブランドを引き継ぎ、クリエイティブディレクターを務めてきた。ダリオは「ミュウミュウ(MIU MIU)」でデザイン・ディレクターを務めた経験を持ち、ヴェルサーチェではドナテラの後任としてチーフクリエイティブオフィサーとして就任。2026年春夏コレクションでは、ジャンニが築いた「肉体と精神」「俗と神聖」の二面性を現代にアップデートし、1980年代を思わせるシルエットやカラーパレット、モデルのヘアスタイルをはじめ、テーラリングやネグリジェ、デニム、レザー、プリントシャツといったアーカイヴ要素を自由で官能的に再解釈したコレクションを披露。「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」とのコラボレーションも登場した。鮮烈なデビューは話題を呼んだが、発表したコレクションはこの1シーズンのみで、着任からは1年未満での退任となる。
イギリスのファッションメディア「ビジネス・オブ・ファッション(The Business of Fashion)」など複数のメディアによると、ダリオは12月12日付で退任する予定。なお、ヴェルサーチェはカプリ・ホールディングス傘下だったが、ミラノ時間12月2日にプラダ・グループ(Prada Group)が買収を完了しており、ダリオの退任はその2日後に発表されたことから、プラダ・グループの経営ヴィジョンを反映した判断と見られる。