米地銀のM&A活発化=4年ぶり高水準、規制緩和期待

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2025年12月07日 08:02  時事通信社

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時事通信社

 【ニューヨーク時事】米国で地方銀行のM&A(買収・合併)が活発化している。規制緩和を志向する共和党のトランプ政権が審査基準を緩めるとの期待感を背景に、M&Aの合意件数は2021年以来4年ぶりの高水準に達した。投資拡大や預金獲得などの競争に直面する中、各行は統合で経営基盤を強化し、生き残りを模索する。

 米調査会社S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると、米銀が開示した今年1〜10月末のM&Aは145件。昨年(通年)の119件を上回り、21年(209件)に迫る。同社は地銀統合に慎重だった民主党のバイデン前政権から一転し、環境はM&Aに「好ましい」と指摘。「継続的な回復に向けた基盤」が整ったと評価する。

 全米18位の大手地銀フィフス・サード・バンコープは10月、コメリカを109億ドル(約1兆6900億円)で取得すると発表した。買収額は今年最大で、資産規模は13位に浮上する。フィフス・サードは、成長著しい南部テキサス州などで事業を拡張し、収益力を高める。

 21位の有力地銀ハンティントン・バンクシェアーズも74億ドルで中堅地銀の買収を決めるなど、比較的規模の大きな案件が相次ぐ。

 米国野村証券で銀行分析を統括するグレッグ・ハートリッチ氏は、現在約4000行ある地銀について「今後10年かけて2500行に減る」と予想。小規模行は電子化や顧客サービス効率化に向けた投資競争についていく余力が乏しく、「大きな傘に入った方が(経営上)好都合なため身売りする銀行も出てくる」と分析している。 

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