トークステージ「コレクター代表が語るトミカのディスプレイ術」に登壇した北澤剛司氏 (C)oricon ME inc. トミカファンの大きな関心事のひとつが、“どう魅せるか”というディスプレイ術だ。その奥義が6日、ダイキャスト製ミニカー「トミカ」誕生55周年の初のファン感謝祭「TOMICA OWNERS MEETING」で披露された。トークステージ「コレクター代表が語るトミカのディスプレイ術」には自動車ライターの北澤剛司氏が登壇し、タカラトミー・トミカ事業部マーケティング課の安野華英さん、犬養風音さんとともに、多くのコレクターが知りたかった“魅せる飾り方”のコツを語り合った。
【写真】北澤剛司氏が公開したトミカディスプレイ術
こだわりが光る“飾り方の基本”
幼少期にトミカとスーパーカーブームの洗礼を受け、“生粋の乗り物好き”として育った北澤剛司氏。現在は自動車ライターとして専門誌や一般誌で執筆する傍ら、コレクターとしても知られる人物だ。そんな北澤氏が、長年培ってきた“魅せるための飾り方”のコツをステージで次々と披露した。
まず北澤氏がこだわるのは、「本体とパッケージをセットで飾る」という基本スタイル。パッケージのデザインもコレクションの一部と考えており、箱ごとクリアケースに入れて保護しながら展示することを徹底している。会場に映し出された自宅の写真には、整然と並んだ箱とミニカーが“専門店のショーケース”さながらで、ファンからも感嘆の声が漏れた。
そのこだわりは“開封”にも及ぶ。北澤氏はペーパーナイフや細い刃を箱の側面から差し込み、折れや破れを防ぎながら開ける方法を実演するように説明。「箱開けは一番大事」と強調すると、犬養さんは「私はカッター派」、安野さんは「金尺を使うことも」と応じ、箱を守り抜くための“コレクター流開け方談義”に会場が盛り上がった。
ジオラマとガレージで広がる“世界観の作り方”
飾り方をさらに深めるテクニックとして北澤氏が紹介したのが、ジオラマとの組み合わせだ。自作ジオラマにトミカを配置した写真を示しながら、「単体でもいいけれど、情景と合わせると“物語”が生まれる。64分の1スケールは建物模型とも相性が良く、とても楽しい」と話し、世界観づくりの面白さを伝えた。
55周年記念商品「トミカガレージ」の活用法にも話題が広がった。安野さんが「シャッターがゆっくり開き、LEDがふんわり点灯してスタイリッシュに見せてくれる」と特徴を解説すると、北澤氏は「週替わりでテーマ展示をしているんです。“今週はGTR、来週はフェラーリ”みたいに」と実践例を披露。ガレージを“見せる舞台装置”として楽しむ姿勢が印象的だった。
最後に北澤氏は「息子は卒業しちゃったけれど、私はまだまだ続けます」と笑いながらも、“飾ること自体が楽しみ”というコレクションの本質を改めて語った。飾り方、箱の扱い、世界観の作り方――ディスプレイ術のヒントがぎゅっと詰まったステージとなった。